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アラバマ州の政治

アラバマ州の選挙人の数は、9人です。堅固な共和党支持州で、レーガン以共和党候補者を選び続けています。ただし都市部では、民主党支持者が増えています。

アラバマ州はディープサウスの今昔を色濃く残す州

アラバマで人々に広く浸透しているのが「ハート・オブ・ディキシー」という愛称です。南部の心臓・中心という意味で、ディキシーは南軍の歌から取られたとされていますが、意味までは伝わっていません。

郷土愛、北部ヤンキーに対抗した南部人の誇りと気概、人情に厚いサザンホスピタリティが複雑に入り混じったこの愛称には、奴隷の艱難辛苦と、人種差別を容認した過去も含まれています。

アラバマ州の黒人差別

合衆国から離脱したアラバマ州は、南部諸州と南部連合国を結成、モンゴメリーが一時は首都と定められ、政治的に大きな役割を担いました。南北戦争に敗北してもアラバマ州のプライドは折れず、黒人差別を続け、学校、バス、飲食店では、白人と有色人種「カラード」が徹底的に分けられました。

1955年のモンゴメリーで、黒人女性が白人にバスの席を譲ることを拒否し逮捕されると、当時赴任していたキング牧師が激しく抗議バスボイコット運動を起こして公民権運動へと発展しました。

南北戦争後のアラバマ州

南北戦争で農場が壊滅した後は、バーミンガムの製鉄、石油、石炭、天然ガス、自動車といった産業が連邦政府の手助けを受けながら成長し、工業と農業の両方の発展が進められました。

平均所得は依然として下位にあり、貧富の差が大きく地区によっては人種差別が根深く残っています。しかし都市化と工業化に何とか漕ぎ着け、最悪の人種差別都市といわれたバーミンガムで2019年に初の黒人市長が誕生するなど、ゆっくりと変化しています。

アラバマ州を知るキーワード

アラバマ州のキーワード:アメリカ宇宙ロケットセンター

マーシャル宇宙センターがあるアラバマ州のハンツビルは、かつての宇宙開発の中心地。隣接する宇宙ロケットセンターでは、ロケットの開発史が学べます。

アラバマ州のキーワード:スロース炉

19世紀末に鉄道マンのスロース氏が炭鉱会社の支援を受けて作った鉄鋼炉が、アラバマ州バーミンガムに歴史史跡として保存されています。

アラバマ州のキーワード:フォートペイン

アパラチア山脈の南端にある、アラバマ州のアウトドア好きが集まるゆかしい田舎町。アラバマ州でスキーができるのはここだけとのこと。

アラバマ州のキーワード:モンゴメリー

南北戦争の頃、南部連合国首都だった時期があります。アラバマ州議事堂南側には、当時の大統領官邸「最初のホワイトハウス」が立っています。

アラバマ州のキーワード:セルマ・モンゴメリー大行進

1965年3月、選挙権の平等を求めるアラバマ州の市民が、キング牧師の指導のもと、セルマからモンゴメリーまでの87キロを歩く大行進を行い、公民権運動の機運を高めました。

アラバマ州のキーワード:タスカルーサ

アラバマ大学があり、ベンツなど海外メーカーが拠点を置く学問と工業の町。チョクトー族の長から名前がとられ、意味するところは黒い戦士。

アラバマ州のキーワード:ヘレン・ケラーの生誕地

アラバマ州タスカンビアに生まれ、目と耳が不自由ながら教育家、社会福祉活動家として活躍した彼女の生家は、同市で一般公開されています。

アラバマ州のキーワード:港町モービル

メキシコ湾岸に位置し、アラバマ州内唯一の海港があって、近くにビーチリゾートもあります。映画『フォレスト・ガンプ』の原作小説の舞台。

アラバマ州のキーワード:ピーカンパイ

コーンシロップとクルミの一種ピーカンナッツで作る、とびきり甘い南部伝統のパイ。これぞ南部のおばあちゃんの味として好まれています。

アラバマ州のキーワード:南部のおもてなし

南部には見知らぬ人にも気さくに優しく話しかけ、気遣ってくれる情の厚さがあります。自宅の食事に招待したり、されたりが日常茶飯事。

アラバマ州の著名人

アラバマ州の著名人:公民権運動の母 ローザ・パークス

アラバマ州の百貨店での勤務を終えた帰りのバスが白人客で混み始めると、彼女は席を譲れと言われましたが拒否。これが公民権運動の始まりです。(1913~2005)

アラバマ州の著名人:元国務長官 コンドリーザ・ライス

ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領の政権で辣腕を振るい、イラク戦争開戦に関わったタカ派とされています。出身はアラバマ州バーミンガム。(1954~)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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