フリーワード検索

ジャンルから探す

トップ > カルチャー >  海外 > 北アメリカ >

モンタナ州の政治

モンタナ州の選挙人の数は、3人です。共和党の牙城のモンタナ州。国政に無視されてきたと感じる保守的な白人サイレント・マジョリティが、トランプを熱烈に支持しています。

モンタナ州の本当のお宝とは何か?

モンタナ州は山を意味するスペイン語、あるいはラテン語に由来しています。山があるのはモンタナ州西側の5分の2で、東側はグレートプレーンズの大平野が占めています。

1万年以上前からたびたび氷河に覆われたロッキーの自然の作用は、モンタナ州に緑豊かな森を創造しました。雪解け水は清流となり、野生動物たちの棲家も生まれました。地中の金・銀・銅・鉛など豊富な鉱物を目当てに開拓者が集まり、それがモンタナ州の発展に大きく貢献しました。一方で鉱物資源は、インディアンの悲劇につながりました。

モンタナ州で起こったリトルビッグホーンの戦い

当時のモンタナ準州には、大勢の鉱夫が送り込まれたほか、軍事拠点も建設されました。すると当然、先住民であるインディアンと衝突。アメリカの教科書に必ず出てくるリトルビッグホーンの戦いが1876年に勃発したのです。南北戦争で活躍した指揮官・カスター率いる騎兵隊がインディアン部族の連合に全滅させられると、残虐行為を理由に世論を味方につけた政府はインディアンに対する規制を強め、次第に彼らの勢力を封じ込めました。

モンタナ州の現在

現在、モンタナ州の州人口のうち白人が約9割を占めています。しかしインディアンの祖先を持つ人の比率は6%と高い現状です。多数派の白人は、保護区やインディアンだけに許されるカジノなどを認めて共存を図っています。

20世紀のモンタナ州は、銅の精錬や東部の平地を利用した農業や牧畜、石炭・石油の採掘業で発展を見せましたがいずれも衰退しました。代わりにロッキーの自然を前面に出した観光業が、主な収入源になっています。

モンタナ州を知るキーワード

モンタナ州のキーワード:日本の面積と同じくらい

モンタナ州と日本の面積は同じくらい。けれどモンタナ州の人口は、たったの約100万人で大都市がありません。お隣ワイオミング州はもっと少なく、約58万人。

モンタナ州のキーワード:リトルビッグホーン古戦場

カスター中佐率いるアメリカ第7騎兵隊を、インディアン連合軍が打ち負かした戦いの記念碑が立てられています。インディアンが誇る、栄光の歴史の一つです。

モンタナ州のキーワード:黄金三角

モンタナ州中央北部の麦が栽培されている逆三角形エリアのこと。冬小麦と春小麦の両方を作っています。生産量はカンザス、ノースダコタに続き全米3位

モンタナ州のキーワード:ルイスとクラーク探検隊の大冒険

1804年にミシシッピ川を出発し、2年がかりで大陸横断に成功しました。太平洋を見た初めてのアメリカ人探検隊となりました。途中モンタナ州を通過、各地に足跡が残されています。

モンタナ州のキーワード:ロッキー博物館

世界の恐竜マニアが集う「モンタナ州恐竜の道」全14カ所の1つ。古生物学者ジャック・ホーナー氏がキュレーターを務めています。

モンタナ州のキーワード:アナコンダ銅鉱社

かつて銅で世界を取ったモンタナ州のグローバル企業。一時は20世紀最大規模の企業共同体にまで成長しましたが、世界情勢が繁栄を許さず、1977年に買収されてしまいました。

モンタナ州のキーワード:グレイシャー国立公園

カナダとの国境付近にある氷河(グレイシャー)の世界遺産。1910年には100以上存在した氷河が、2015年時点では26に減っていました。

モンタナ州のキーワード:ロッキー山脈

白亜紀に始まったララミー造山運動という地殻変動で発達。山多き州との印象に反し、モンタナ州で山深いのはロッキーがある西部だけです。

モンタナ州のキーワード:イエローストーン国立公園

モンタナ州とワイオミング、アイダホの3州に跨がる世界遺産巨大間欠泉、カラフルな熱水泉、キュートなキツネさんが見られます。

モンタナ州のキーワード:映画『リバー・ランズ・スルー・イット』

若かりしブラッド・ピットが、モンタナ州の自然を背景にフライフィッシングの美しい所作を見せます。けれど、現代人は釣りだけでは生きていけません。舞台は田舎町ミズーラです。

モンタナ州のキーワード:忠犬シェップ公

亡くなった主人の棺が故郷に送られるのを駅で見送った後、毎日到着する列車を駅で迎え、主人の帰りを5年半待ち続けたという実話

モンタナ州のキーワード:クロウフェア

モンタナ州ビリングス近郊で毎年8月に行われる、インディアンの祭典。千を超えるティピー(テント)が設営され、パレードやパウワウ、ロデオが行われます。

モンタナ州の著名人

モンタナ州の著名人:古生物学者 ジャック・ホーナー

モンタナ州シェルビー出身で、恐竜研究の世界的権威子育て恐竜マイアサウラの発見者で、映画『ジュラシック・パーク』では監修を務めました。(1946~)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  海外 > 北アメリカ >

この記事に関連するタグ