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アラスカ州の政治

アラスカ州の選挙人の数は、3人です。主要財源となるエネルギー産業の活性化を叫ぶ声も多く、油田開発を積極的に進めてきた共和党が優勢の傾向にあります。

アラスカ州は、自然と資源が豊かゆえの葛藤を抱える州

「巨大な冷蔵庫を買った男」。これは、ロシア領だったアラスカ州を購入した国務長官を揶揄した言葉です。
1867年のアラスカは大きくて寒いだけと思われていました。それが海と山の幸はもちろん、金鉱、さらには原油に天然ガスと地下資源が眠っていたことが判明すると評価は一変し、一攫千金を狙う人々が押し寄せました。
アラスカ州が正式に49番目の州となったのは1959年で、冷戦時の対ソ連最前線として戦略的価値が見出された点が大きく影響しました。

手つかずの自然が残るアラスカ州は、道路が整備されていない場所も多くあります。国立公園や自然保護区の総面積は全土の3割以上に及び、10以上の先住民族が暮らしています。

アラスカ州だけにある「永久基金」

アラスカ州の天然資源はなお潤沢で、石油産出量はアメリカの1割近くを担っています。アラスカ州にとってこれらのエネルギー産業があまりに大きな財源であるため、枯渇に備えて、産業収入の一部をアラスカ州民のために積み立てる「アラスカ永久基金」の制度が定められているのもアラスカ州ならではです。

基金が政府へ貸し付けている金額と配当は大きく、これが平均所得をトップクラスに引き上げている要因とされています。アラスカ州が課す消費税(セールスタックス)は0%で、所得税もありません。これもすべてエネルギー産業で税金を賄えるおかげなのです。  

とはいえ天然資源の生産量は減少傾向にあります。新たな採掘地として、国立公園や自然保護区にまで視線が注がれていますが、「自然を守るか、経済のために大地を掘るか」のせめぎあいでラストフロンティアは頭を悩ませています。

アラスカ州を知るキーワード

アラスカ州のキーワード:アンカレッジ

アラスカ州の州人口の約4割が住む中心都市。沿岸地帯に連なるチュガッチ山脈が市内から見えます。かつてアンカレッジ空港は、北極海を越える北回り航路の経由地でした。日本からの便も多く、空港にはうどん店がありました。

アラスカ州のキーワード:北極圏

アラスカ州の極北地域は、大半が北極圏に含まれます。5~8月は太陽がほぼ沈まない白夜11~1月はほとんど太陽が出ない極夜となります。

アラスカ州のキーワード:フェアバンクスのオーロラ

アラスカ州第2の都市は、冬季のオーロラ観測で有名です。夏は白夜で観測が難しいので注意。先住民の文化を今につなぐ犬ぞりも体験できます。

アラスカ州のキーワード:プルドーベイ油田

1977年に生産を開始した北米最大の油田。1980年代後半に生産量が減少し、石油会社の撤退も始まりつつあります。それでもまだまだ現役です。

アラスカ州のキーワード:アラスカ縦断パイプライン

プルドーベイ油田から南へ続く全長約1300キロの送油管。カリブーの角が引っかからないよう、地上2メートルの高さに造られています。

アラスカ州のキーワード:アラスカ先住民

アラスカ州にはハイダ、トリンギット、ユーピックなどの民族が暮らしています。ハイダはアイヌに似た文化を持っています。

アラスカ州のキーワード:デナリ

アラスカ州にある、標高約6190メートルの北米最高峰。先住民由来のデナリか、英語由来のマッキンリーかで名称が争われ、2015年にデナリに決定しました。

アラスカ州のキーワード:グレイシャーベイ国立公園

グレイシャーとは氷河のこと。アラスカ州ジュノーから船か飛行機でのみ、たどり着く。海中に氷塊が落ちる瞬間は、人生一度は見てみたい絶景です。

アラスカ州のキーワード:野生の息吹

ムースが闊歩し蝶が舞うアラスカ州は、野生動物の楽園。そのなかにはホッキョクグマやラッコといった絶滅が危惧される動物も。

アラスカ州のキーワード:ベーリング海

命がけのカニ漁が繰り広げられる、ロシアとアラスカ州を隔てる海。氷河期は地続きで、ここをインディアンが渡って来たとアメリカの子どもたちは歴史の授業で最初に教わります。

アラスカ州のキーワード:アッツ島

第二次世界大戦で旧日本軍が占領したアメリカの領土。1943年にアメリカ軍が上陸し、アッツ島の戦いが発生。日本の守備隊は玉砕します。

特産品 オヒョウ

サーモンと並び、アラスカ州でよくとれる巨大魚。体長3メートルになることも。アラスカ州ではグリルにされ、日本の回転寿司などではエンガワにされます。

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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