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【福島県の歴史】福島県が成立した明治時代

1876(明治9)年には現在の福島県が成立し、その5年後の1881(明治14)年に福島自由党が結成され、福島県内では全国に先がけて自由民権運動が展開されました。しかし、その翌年には民権活動に対する弾圧「福島事件」が勃発し、運動は衰退していってしまいます。

福島大火の教訓が生かされた道路整備

1881(明治14)年には福島大火(甚兵衛火事)により、福島市旧市街の大半を焼き尽くしてしまいました。その教訓から福島市では道路の整備が重視され、1891(明治24)年には東北本線が全通し、物流はそれまでの舟運から陸路・鉄道での輸送へとシフトしていきました。東京と東北を結ぶ福島市は、人と物の集積地となっていきます。

【福島県の歴史】昭和恐慌と太平洋戦争の影響が大きかった昭和時代

昭和恐慌(1930~1931年)が起きると、福島県の主要産業であった製糸業は大打撃を受けました。また、同時期の冷害の影響は農村を直撃し、福島県からは多くの人々が満州へと移民します(送出数は全国3位)。

やがて太平洋戦争が始まり、福島県内にも空襲がありました。とくに1945(昭和20)年4月12日の郡山空襲は被害が大きく、軍需工場が標的とされ、460人の死者を出しました。

終戦後の産業基盤整備によって発展する福島

終戦後に東北電力の初代会長に就任した白洲次郎(しらすじろう)は、只見川(ただみがわ)の豊富な水量を利した水力発電を推進しました。電力の供給が安定化したことで、県内の産業基盤は整備されていき、高度経済成長へとつながっていきます。

東北新幹線、東北縦貫自動車道、常磐自動車道、磐越自動車道、福島空港開港と、交通・物流面が発展したことにより、福島県は農業県として、あるいは商業都市や観光地としての側面も花開かせていきました。

【福島県の歴史】平成以降は東日本大震災からの復興や再生が課題

2011(平成23)年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震(東日本大震災)が発生し、浜通りは大津波によって甚大な被害を受けました。また、東京電力の福島第一原子力発電所では原子力事故が起きました。

まもなく震災から10年が経とうとしている現在、一部の帰還困難地域を除き、面的除染は終了し、環境面の回復は進んでいます。また、公共土木施設の99%で復旧工事が着手され、全体のおよそ96%が完了しました。さらに再生可能エネルギーの導入を図るなど、「復興・再生」後を見据えた取り組みが行われています。

東日本大震災後の交通網復旧状況

東日本大震災後の交通網復旧状況
『ふくしま復興のあゆみ 第28版』(福島県 新生ふくしま復興推進本部、2020年)を元に作成

2020年5月31日の時点で、会津地方と中通り地方の災害復旧工事は完了。東北中央自動車道福島~相馬間に工事未完の地域が残っています。米沢北~福島JCTは新しく開通。

再生可能エネルギー拠点

再生可能エネルギー拠点
『ふくしま復興のあゆみ 第28版』(福島県 新生ふくしま復興推進本部、2020年)を元に作成

2040(令和22)年頃に、県内エネルギー需要の100%相当の再生可能エネルギーを生み出すことを目標としています。

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日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。福島の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1:地図で読み解く福島の大地

・阿武隈山地や奥羽山脈が境目!浜通り・中通り・会津の3地域
・いわきで発掘された首長竜化石フタバスズキリュウとは?
・福島市がぽっかり入る福島盆地はどうやってできた?
・福島発展の礎を築いた常磐炭田
・磐梯山の大噴火と裏磐梯・五色沼湖群の形成
・猪苗代湖畔からウニ化石!?劇的な会津の地形の成り立ち
・石川町が日本三大産地のひとつ ペグマタイトとはどんな岩石?
・大改修から100年が経過 暴れ川・阿武隈川の今と昔

などなど福島のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2:福島を駆け抜ける鉄道網

・東北本線旧線の黒磯~白河間には明治時代の面影が残されている!?
・日本最大のC62形SL牽引「ゆうづる」が走った常磐線
・かつては東京と新潟を結ぶ架け橋、会津地方の大幹線・磐越西線
・東京・浅草から特急が直通しトロッコ列車も走る会津鉄道
・かつて硫黄輸送で活躍した猪苗代町の沼尻鉄道とは?
・只見川に架かる数々の鉄橋ほか 魅力いっぱい絶景鉄道・只見線

などなど福島ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3:福島で動いた歴史の瞬間

・人間の歯や骨をペンダントに!?原始福島の不思議な弔い
・東北地方最古の前方後円墳!会津大塚山古墳が示す会津の力
・浜通りに古代製鉄遺跡を発見! なぜ大規模な製鉄が行われた?
・中世史総論(関東武士が進出し国盗り合戦!白河・伊達・蘆名・岩城氏の攻防)
・南北朝時代に南朝が拠点とした幻の寺院城郭・霊山寺とは?
・伊達氏のルーツは福島にあり!奥州制覇を果たす道のり
・相馬地方を約700年統治した古豪・相馬氏とはどんな一族?
・奥州きっての城下町・若松はどのようにして生まれた?
・会津若松城で籠城戦を続けた会津藩が開城に至るまで

などなど、激動の福島の歴史に興味を惹きつける。

Part.4:福島で育まれた産業や文化

・最澄と大論戦した僧・徳一が開祖!慧日寺から始まった会津の仏教文化
・猪苗代湖の水を郡山へ! 幹線延長52㎞の安積疏水事業
・県境には二ツ小屋隧道が残る 福島と米沢を結んだ万世大路
・東北唯一の中央競馬場が福島市につくられたわけ
・幕府直営の半田銀山 明治時代は五代友厚が経営
・感染症と闘い続けた細菌学者・野口英世の生涯
・日本酒の金賞受賞数日本一!福島の地酒はなぜすごい?

などなど福島の発展の歩みをたどる。

ほか、巻頭「空撮グラビア」、テーマ別地図、コラム「データでわかる全59市町村」(人口、所得、農業・漁業)、吉田初三郎が描いた福島県の鳥瞰図 など

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