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土肥金山で金や銀などの貴金属が産出する理由

火山の地下では、熱水 ( 地下水やマグマから沁み出した水 )が、まわりの硫黄や岩石に触れ化学反応を起こすことがあります。熱水に溶け込んだ金属などが、岩石の割れ目やすき間に沈殿すると金属類の鉱床となり、これを熱水鉱床(ねっすいこうしょう)といいます。

日本国内の金属鉱床の多くは熱水鉱床によるものであり、岩石の割れ目で金が冷えて沈殿したものが金鉱脈となります。土肥金山は代表的な熱水鉱床で、佐渡金山も同じような成り立ちをしています。

土肥金山で金や銀などの貴金属が産出する理由

図の黄色い部分が、岩石の割れ目に金属類が沈殿した鉱床部分。

土肥金山周辺の熱水鉱床と温泉地

伊豆半島は火山群であり、マグマの活動により熱水が多かったことから、金鉱脈が多くできたものと思われます。土肥金山の傍には土肥温泉のほか、湯ヶ島、修善寺などの有名な温泉があることもそれを示しています。

土肥から黄金崎(こがねざき:西伊豆町)にかけての海岸線でも熱水鉱床の鉱石を見ることができます。宇久須地区(西伊豆町)では、かつて板ガラスの原料となる珪石(けいせき)が採掘されていました。黄金崎は岩に黄鉄鉱を含んでおり、夕日に照らされキラキラと輝くことからその名が付きました。

土肥金山周辺の熱水鉱床と温泉地

土肥金山の閉山後

土肥金山は昭和後期に閉山しましたが、現在は観光坑道や砂金採り体験を楽しめる観光施設として生まれ変わり、250kgの巨大金塊の展示などが行われています。

土肥金山

住所
静岡県伊豆市土肥2726
交通
伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅から東海バス堂ヶ島・松崎行きで50分、土肥金山下車すぐ
料金
入場料=大人(中学生以上)860円、小人(小学生以下)430円/砂金採り体験(30分)=大人720円、小人610円/(20名以上で団体割引あり、障がい者半額)

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Part.1 地図で読み解く静岡の大地

・富士山が標高日本一、駿河湾が深海日本一になった理由
・南から来た、火山の贈り物、伊豆半島ジオパーク
・交通の難所「大崩海岸」は海底噴火によって作られた!
・「日本三大人工美林」数えられる天竜の杉林は川の氾濫に関係があった?
・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!

などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 静岡を駆け抜ける鉄道網

・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
・JRと私鉄が一体となって形成する伊豆半島東海岸の鉄道ルート
・意外なエピソードを秘めた東海道本線・静岡鉄道の並行区間
・「政令指定都市・静岡」の市内も走る山岳鉄道、大井川鐵道井川線
・軍事上の要請が背景にある天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)のルート

などなど静岡ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 静岡で動いた歴史の瞬間

・静岡最古の古代人は愛鷹山付近にいた!
・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
・日本にたった一つしかない形の城・田中城
・家康の遺体は日光ではなく久能山にある?
・徳川慶喜と渋沢栄一の意外なつながり

などなど、激動の静岡の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 静岡で育まれた産業や文化

・模型の首都!静岡が生まれたワケ
・バイクに楽器。浜松のものづくりは綿花の栽培から
・ボールは友達!サッカー王国しずおか
・富士山麓の湧水が育てた製紙業
・月ではなく富士山に帰ってしまう「かぐや姫」
・仏教界のスーパースター空海が静岡に残した伝説

…などなど静岡の発展の歩みをたどる。

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