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山野線は栗野〜水俣を結んだ幻の路線!山越えを克服する北薩の要路 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年5月19日

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山野線は栗野〜水俣を結んだ幻の路線!山越えを克服する北薩の要路

北薩地方の住民が待望し、大正期に生まれた山野線。
熊本との県境には急勾配の山越えが連続しループ線もありました。
歴史ある旧国鉄線が消えて久しいです。

山野線とは

山野(やまの)線は、かつて熊本の水俣と鹿児島の栗野(くりの)間を結んでいたローカル線です。

大口(おおくち)盆地に開けた北薩(ほくさつ)地方の中心エリアを通る重要路線で、国見(くにみ)山地を越える山越えもあり、急勾配を避けるためループ線で克服するなどの特色がありました。

山野線の全路線図

山野線の全路線図

山野線は熊本県の水俣駅(水俣市)を起点に、栗野駅(姶良郡湧水町)へ至る55.7㎞を16の駅で結んでいました。険しい山岳地帯を走る路線で、県境近くの熊本側にはループ線がありました。また、薩摩大口駅では宮之城線に連絡していました。

図は、現在の地図に旧山野線、宮之城線の路線図を反映したものです。

山野線の歴史

山野線の歴史は古く明治末期に溯ります。当時、鹿児島県内の沿線地域は交通が不便で、住民は鉄道開通を切望していました。

その願いが届き、1921(大正10)年9月、ついに山野軽便線として栗野〜山野間が開業。翌年には山野線に改称され、1934(昭和9)年4月に山野西線として水俣〜久木野(くぎの)間が開業すると、山野線を山野東線と改称。1937(昭和12)年12月、さらに延伸した両者が結ばれ全通すると、線名は山野線に戻り完結しました。

以後、山野線は北薩地方の動脈として、また、熊本県の芦北(あしきた)とを結ぶ要路として地域住民を運び長く活躍します。薩摩大口駅からは宮之城(みやのじょう)線も分岐し賑わい、同駅は交通の要衝となりました。

山野線は簡易線と呼ばれる低格の低い路線でしたが、1962(昭和37)年2月からは出水〜宮崎間に山野線経由の準急「からくに」(のちに急行に格上げ。1972年廃止)も運転され、要路に変わりありませんでした。

山野線のループ線

険しい山越えで知られる山野線ですが、薩摩布計(さつまふけ)駅をサミット(頂点)として、その前後に33パーミル(1㎞で33mの高低差)の急勾配が連続。熊本、鹿児島県境となる久木野〜薩摩布計間には全長1236mの久木野トンネルのほか、ループ線(大川ループ)がありました。

ループ線とは、急勾配を緩和させるため線路を螺旋状に敷設し高低差を稼ぐもので、久木野駅から約5㎞進んだ地点でぐるり一周して勾配を上りました。ループ線の直径は320m、高低差は30m、延長1000mで、ふたつのトンネルと築堤で越えていました。

九州のループ線では肥薩線の大畑ループが有名ですが、やはり要路に設けられた勾配緩和のための設備です。

山野線の廃止

長らく活躍してきた山野線ですが、昭和30年代以降のモータリゼーションの進展、沿線の過疎化により利用客は減少し、1984(昭和59)年には第2次特定地方交通線に指定され廃止が承認されます。

国鉄分割民営化でJR九州の路線になり生きながらえたものの、1988(昭和63)年1月限りでついに全線が廃止されました。最終日の1月31日、沿線各駅や列車には別れを惜しむ人々が訪れ、沿線住民の約半数が見送ったといわれています。

各地で式典が盛大に行われ、薩摩大口駅では発車式があり、拍手の渦のなか最終列車がホームを離れました。

「宮之城線」とは?

宮之城線は、川内〜薩摩大口間を結んだローカル線です。交通が不便だった沿線の有志が建設促進運動を起こし、川宮鉄道が1917(大正6)年に川内〜樋脇間を着工。国有化され宮之城線(当初は大川線)として1924(大正13)年10月に完成。1937(昭和12)年12月までに全通させました。

以来、西薩地方、北薩地方の重要路線として貢献し地域住民や農林産品を運びましたが、第2次特定地方交通線に指定され、1987(昭和62)年1月に惜しまれながらも全線廃止となりました。

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・アンモナイトやクビナガリュウなど恐竜時代の化石が獅子島で続々!
・屋久島は巨大な花崗岩の塊を付加体が取り巻いている!
・超巨大火山「喜界カルデラ」に知られざる溶岩ドームが存在!
・薩摩富士・開聞岳や池田湖ほか薩摩半島南東部の火山群の歴史
・テーチ木と奄美の赤黄色土が生む日本を代表する絹織物・大島紬

…などなど鹿児島の自然のポイントを解説。

Part.2 鹿児島を駆け抜ける充実の鉄道網

・明治時代開通の鹿児島線 鹿児島~国分に始まる鉄道史
・新大阪からの直通も走る!九州新幹線鹿児島ルートの全貌
・国内屈指の大幹線として君臨・東京直通も走った鹿児島本線
・日本最長の寝台特急も走った九州東部を縦貫する日豊本線
・「おれんじ食堂」の投入など奮闘する肥薩おれんじ鉄道
・開聞岳ほか薩南の絶景を満喫!JR最南端駅もある指宿枕崎線
・県内唯一の私鉄も今や幻に・鹿児島交通枕崎線&知覧線

…などなど鹿児島の鉄道事情を解説。

Part.3 鹿児島で動いた歴史の瞬間

・鹿児島の古代史総論
・国内最古級の大規模な定住集落跡・上野原遺跡とは?
・政府と薩摩の間に起った軍事的衝突
・日本の南の玄関口・鹿児島に鉄砲やキリスト教が伝来
・九州統一を目指す島津氏VS九州攻めに乗り出した豊臣秀吉
・江戸~薩摩間約1700㎞!最も遠方からの参勤交代
・鹿児島城の築城と薩摩藩独自の外城制度
・薩英戦争が薩摩藩にもたらした近代化と倒幕への方針転換
・戦後アメリカの統治下となった奄美群島が日本復帰

…などなど鹿児島の歴史を徹底解説。

Part.4 鹿児島で育まれた産業や文化

・近代産業の礎を築いた集成館
・日本の金産出量の約9割を占める菱刈鉱山がすごい!
・かつては海軍の航空基地・鹿児島空港開港の歴史
・志布志湾に浮かぶ人工島にある志布志国家石油備蓄基地とは?
・鹿児島臨海工業地帯の造成の変遷をたどる
・ロケット打ち上げ施設は国内唯一・日本で宇宙に一番近い県
・古代より栄えた坊津の港に代わり枕崎が遠洋漁業の拠点に!
・本土が半分がやせたシラス台地なのになぜ全国有数の農業県になれた?

…などなど鹿児島の産業と文化を丁寧に解説。

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