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八戸港開港によって誕生した八戸工業地帯

1937(昭和12)年には、馬渕川(まべちがわ)下流(現・第一工業港)南の10万坪を超える広大な敷地に日東化学工業が設立。1940(昭和15)年には東北アルコール、1951(昭和26)年には日本砂鉄八戸工場、1952(昭和27)年には日曹製鋼八戸工場が設立されています。日東化学工業は戦後も大きな発展を遂げ、1998(平成10)年、三菱レイヨンと合併。2001(平成13)年には3社合併によりMRCユニテックとなりました。

八戸港は重要港湾に指定

第二次世界大戦後、八戸港はさらに発展します。1947(昭和22)年、岩手県松尾鉱山から産出する硫黄の積出し港に指定された際は、波浪対策として3隻のタンカーを沈めて沈船防波堤とし、それにより、1951(昭和26)年に重要港湾指定を受けました。

八戸工業地帯の整備事業として行われた治水工事

また、八戸臨海工業地帯の重要な整備事業としては、たびたび洪水を引き起こしてきた馬淵川、新井田川(にいだがわ)河口付近の治水事業があります。一級河川馬淵川と二級河川新井田川は河口付近で合流しているため、大雨となると両方の川の水が集まり、氾濫していたのでした。
そこで、馬淵川に太平洋への放水路を掘削することとなります。工事は戦時中から行われ、1956(昭和31)に竣工。馬淵川の放水路から浚渫された土砂は、工業地帯の原風景ともいえる三角地帯を造成するのに利用されました。

八戸港や八戸工業地帯は震災にも負けず発展中

その後、1964(昭和39)年、八戸地区が新産業都市に指定されると、臨海工業地区に製紙業、非鉄金属業などの企業が次々と進出し、臨海工業地帯が形成されていきました。東日本大震災の被害は甚大でしたが、現在は復興期も終わり、北東北の工業中心地としてさらに発展中です。

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地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から青森県を分析!

青森県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。秋田の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く青森の大地

・津軽・下北半島が陸奥湾を抱き 県央を貫く奥羽山脈が地形を二分
・火山がもたらした絶景や石灰岩 下北半島に刻まれた列島誕生史
・二重カルデラの十和田湖が生んだ奥入瀬渓流の渓谷美
・津軽富士と称される美しい岩木山は荒々しい火山地形を残す活火山
・古いカルデラの上に形成された八甲田山は火山地形の宝庫!
・東に段丘・西に砂丘・南に扇状地 岩木川がつくった津軽平野
・かつて潟湖だった小川原湖と広大な上北平野ができるまで
・地すべりでブナの原生林が誕生 太古の森が残る白神山地の成り立ち

・・・など

Part.2 青森を駆け抜ける鉄道網

・日本鉄道の駅として明治期に開業 北への玄関となった栄光の青森駅
・E5系・H5系「はやぶさ」が走り延伸を続ける東北・北海道新幹線
・車内で津軽三味線の生演奏!?「リゾートしらかみ」がゆく五能線
・函館への海底トンネルを掘削!?大湊線・大畑線・大間線の大計画
・日本初のステンレス車も活躍する東北最大の私鉄 弘南鉄道がすごい
・黄金の東北本線は新幹線で激変 新時代を走り出した青い森鉄道
・冬は石炭炊きのストーブ列車!ローカル私鉄・津軽鉄道の魅力
・レトロなレールバスがみちのくの原風景を走った幻の南部縦貫鉄道

・・・など

Part.3 青森で動いた歴史の瞬間

・マンモスを追ってきた人類が定着 中央に属さない独自の文化が発展
・豊かな自然のもとで生まれ1万年にわたり続いた縄文文化
・稲作を基盤とする弥生文化と北海道で発達した擦文文化が交錯
・和人の律令国家に取り込まれず蝦夷の地として交易で発展する
・奥州藤原氏が源頼朝に滅ぼされ武士たちの激しい抗争の時代へ
・十三湊を制して栄えた安東氏と室町期に台頭した南部氏の争い
・北東北最大勢力の南部氏から独立し弘前藩を築いた津軽氏とは?
・藩境争いに暗殺未遂、戊辰戦争…度重なる津軽と南部の紛争
・戊辰戦争後に紆余曲折を経て青森県が成立し近代化していく
・港町から県都となった青森では町人中心の町づくりが進んでいく

・・・など

Part.4 青森で育まれた産業や文化

・霊媒師イタコが霊場・恐山の象徴的存在となった理由
・諸大名が財を投じて求めた南部駒 青森県の馬産の歴史は古代から!?
・築100年のダムが現役!耐久性の高い青森ヒバ
・岩木山麓の原野を切り拓いて旧藩士たちが始めたリンゴ栽培
・大間のマグロに陸奥湾のホタテ! 青森県で水産物が豊かな理由とは?
・船上に車両を載せて海を渡る! 青森〜函館をつないだ青函連絡船
・セメント工場の設立をきっかけに漁村から工業地帯に変貌した八戸
・米軍・自衛隊・民間が利用する三沢飛行場は旧海軍航空基地だった

・・・など

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