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ウエストバージニア州の政治

ウエストバージニア州の選挙人の数は、5人です。以前は民主党が強かったのですが、2000年以降は共和党優勢です。トランプは、炭鉱業の復活を唱え何度もここに足を運びました。

ウエストバージニア州は、奴隷制度に反対してバージニア州から独立した州

ウエストバージニア州は、もともとはお隣バージニア州の一部でした。独立のきっかけは、ウエストバージニア州内で奴隷制度の賛否を巡る対立が激化したからです。

旧バージニアでは、山深く大規模農業が難しい西部を尻目に、奴隷を使って東部が順調に栄えました。西部では、東部の奴隷制度を疑問視する声が多く、かたや東部では発展が遅れる西部を冷遇する風潮があり、南北戦争時代には東西の対立が深刻化しました。その結果1863年に西部は切り離され、ウエストバージニア州として合衆国に加盟することになったのです。

「貧困州」からの脱却を図るウエストバージニア州

最も貧しい州。最も不健康な州。最も失業率が高い州。ウエストバージニア州は、不名誉なランキングの上位常連です。

石油と石炭が、ウエストバージニア州の州経済に貢献していますが、十分に財政が潤うほどの資源量はありません。しかし自然の恩恵と厳しさで培われた粘り強い山の人々は、ただ座して待つわけがなく、観光業、バイオサイエンス、ITに力を入れています。平均より低い離職率と事業コストを背景にアマゾンやトヨタ自動車などの大企業も進出しました。

アメリカでは、貧しさと治安の悪さがセットで考えられることが多い。けれどウエストバージニアは例外で、治安の良さは平均より上です。これを「盗むものがなく、山岳地で逃げ場がないからだ」と自嘲気味に語る人もいますが、奴隷制度に反対して独立した高潔さがウエストバージニア州の根底に流れていることを忘れてはいけません。

ウエストバージニア州を知るキーワード

ウエストバージニア州のキーワード:シェナンドー川

ジョン・デンバーの名曲『カントリー・ロード』に登場。歌詞にはブルーリッジ山脈も登場し、ハーパーズフェリーでは両方見られます。

ウエストバージニア州のキーワード:ハーパーズフェリー国立歴史公園

シェナンドー川とポトマク川の合流地点にある、小さくて静かな町ハーパーズフェリーには、歴史的建造物が残る国立公園があります。

ウエストバージニア州のキーワード:ドリーソッズ自然保護区

東部のアレゲニー山脈にあるウエストバージニア州の荒野。雨風に削られてできた奇岩の景色や野生動物が見られます。高山植物が茂り、秋の紅葉が美しい。

ウエストバージニア州のキーワード:チャールストン

ウエストバージニア州の州都であり最大の都市金のドームが有名な州議事堂や、特産品やおみやげが見つかるキャピトルマーケットが観光客に人気です。

ウエストバージニア州のキーワード:ベックリー公開炭鉱

ウエストバージニア州にあるアパラチア炭田の観光鉱山。ウエストバージニア州では19世紀中頃に炭鉱が栄え、過酷な労働環境を巡る労働争議が内戦にまで発展しました。

ウエストバージニア州のキーワード:ニュー川渓谷橋

鋼のアーチ橋で高さは約260メートル。橋の上にはハイウェイが通っています。ガイド付きのブリッジウォークツアーも開催されているウエストバージニア州の名所です。

ウエストバージニア州のキーワード:フィエスタ食器

ウエストバージニア州ニューウェルで創業した食器ブランド。第二次世界大戦中は、食器の釉薬に使われていたウランを政府が買い占め、核兵器開発に使ったといいます。

ウエストバージニア州のキーワード:ロングビュー発電所

2011年に電力供給を開始したウエストバージニア州の石炭火力発電所。他の石炭火力発電所より大気汚染が少ない。地域の雇用にも一役買っています。

ウエストバージニア州のキーワード:ペパロニロール

ペパロニを練り込んで焼き上げるパン。ボリュームがあって持ち歩ける食べ物を必要としていた、炭鉱労働者のために考案されました。

ウエストバージニア州のキーワード:スピリッツ

ウエストバージニア州の州内には蒸留所が点在し、コーンウィスキーが生産されています。禁酒法の時代には、密造酒を作りそれをムーンシャインと呼んでいました。

ウエストバージニア州のキーワード:ゴールデン・デリシャス・アップル

ウエストバージニア州の州のフルーツでもあるリンゴ。1912年に山間の農園で発見されました。果皮が黄色く、強い甘みが特徴。傷みやすいので丁寧に貯蔵されています。

ウエストバージニア州のキーワード:未確認生物モスマン

1960年代に話題となった蛾男。1967年に46人が死亡したシルバー橋崩落事故の際も目撃されたことから、凶兆を知らせる存在とされています。

ウエストバージニア州の著名人

ウエストバージニア州の著名人:数学者 ジョン・ナッシュ

ウエストバージニア州ブルーフィールド生まれ。統合失調症と戦いながら、ゲーム理論などの分野を発展させノーベル経済学賞を受賞しました。(1928~2015)

ウエストバージニア州の著名人:エースパイロット チャック・イェーガー

アメリカ空軍のパイロットで、世界初の音速飛行を実現した凄腕。自身の名前を冠したイェーガー空港が、ウエストバージニア州の州都にあります。(1923~)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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