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長野の天体観測施設①:乗鞍コロナ観測所

1949(昭和24)年、東京大学付属天文台(現在の国立天文台)の施設として乗鞍岳(のりくらだけ)の摩利支天岳(まりしてんだけ)頂上(標高2876m)に開設されたのが、乗鞍コロナ観測所です。コロナとは、太陽の大気の一番外側の部分のことで、ふつうは皆既日食のときしか見られません。コロナ観測所では、コロナグラフという特殊な望遠鏡を使って常時コロナを観測することができます。3台のコロナグラフを備え、日本の太陽コロナ観測の拠点となっていましたが、2010(平成22)年3月末に役目を終え、閉鎖されました。現在は、自然科学研究機構の科学研究施設「乗鞍観測所」として再利用されています。

長野の天体観測施設②:東京大学宇宙線研究所付属乗鞍観測所

コロナ観測所の隣、乗鞍岳の麓にあるのが東京大学宇宙線研究所附属乗鞍観測所(岐阜県)です。宇宙線とは、宇宙から飛んでくる放射線のことです。1949(昭和24)年、大阪市立大学など四つの機関が朝日新聞の奨励金を受けて乗鞍岳に「朝日の小屋」を建設したことがきっかけで、全国の宇宙線研究者が共同利用できる施設となっています。

高度3000m 級の乗鞍岳山頂周辺には、天文観測に有利な条件を求め、いくつもの観測施設が設置されています。

長野の天体観測施設③:国立天文台野辺山宇宙電波観測所・太陽電波観測所

長野県南佐久郡南牧(みなみまき)村野辺山には、国立天文台野辺山宇宙電波観測所・太陽電波観測所があります。1982(昭和57)年、直径45mの電波望遠鏡と10mの5素子(そし)ミリ波干渉計を備えた野辺山宇宙電波観測所が完成。45m電波望遠鏡は「ミリ波」を観測できる電波望遠鏡としては世界最大級の口径と観測精度を誇っていました。また太陽電波観測所には、口径80㎝ の電波へリオグラフが84台設置されていました。1974(昭和49)年には、長野県上松町に口径105㎝ のシュミットカメラを有する木曽観測所(現在は東京大学の天文学教育研究センター)が開設されました。

「日本の電波天文学の聖地」野辺山。周辺には天体観測ドームなどを備えた宿泊施設などもあり、天体観測ファンにも人気があります。

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所

住所
長野県南佐久郡南牧村野辺山462-2
交通
JR小海線野辺山駅から徒歩40分
料金
無料

長野の天体観測施設④:臼田宇宙空間観測所

そして1984(昭和59)年、八ヶ岳山麓の臼田町(現在の佐久市)に開設されたのが、JAXAの臼田宇宙空間観測所です。

1985(昭和60)年、地球に接近したハレー彗星を観測するため「さきがけ」「すいせい」という2機の探査機が打ち上げられました。その探査機と電波で交信するために建造されたのが臼田宇宙空間観測所の直径64mのパラボラアンテナです。

臼田宇宙空間観測所

住所
長野県佐久市上小田切1831-6
交通
JR小海線臼田駅からタクシーで30分
料金
無料

長野の天体観測施設:美笹深宇宙探査用地上局

その後も「あかつき」「はやぶさ」「はやぶさ2」などの宇宙探査を支え続けていますが、JAXAは設計寿命を大幅に超えたこのアンテナの代わりとして、佐久市に54mのパラボラアンテナをもつ美笹(みささ)深宇宙探査用地上局を建設します。2021(令和3)年4月からの本格稼働に向けた準備を行っています。
※2021年4月に運用が開始されました。

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Part.1 地図で読み解く長野の大地

・地形・地質総論「東西から圧縮されている長野」
・伊那山地と南アルプスを縦貫!日本最大の断層・中央構造線
・大地溝帯フォッサマグナとかつて信州が海だった証
・火山活動の歴史を物語る山容 八ヶ岳連峰の南北で大きな違い
・北アルプス唯一の活火山!焼岳の噴火と上高地盆地の形成
・天竜川と断層で形成された伊那谷の日本一の河岸段丘
・野尻湖のナウマンゾウ化石に旧石器人の生活が見える?
・千曲川沿いの段丘上に築かれ、急崖と川が守る上田城のすごさ

などなど長野のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 長野を駆け抜ける鉄道網

・高崎~長野の長野新幹線に始まり敦賀への延伸を目指す北陸新幹線
・66.7パーミルの勾配路線だった信越本線碓氷峠とは?
・東京と名古屋を結ぶ大幹線で山岳地帯を駆け抜ける中央本線
・明治期に開通し善光寺平と松本盆地を結ぶ篠ノ井線
・伊那谷やアルプスを望み旧型国電も走った飯田線
・県内最大の路線網を誇った、私鉄・長野電鉄の変遷
・別所温泉に向かう温泉電車、上田電鉄別所線の魅力

などなど長野ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 長野で動いた歴史の瞬間

・縄文遺跡の宝庫・信州は日本一の人口密度だった!?
・信濃の国は有数の馬産地! 都に名を馳せた望月の駒とは?
・弓馬に長けた信濃武士が源氏配下として平氏討伐
・信州の南北戦争と呼ばれる大塔合戦はどうして起きた?
・甲斐武田信玄vs越後の上杉謙信、二大英雄が激戦を演じた川中島
・流転した善光寺の本尊は天下人の元に安置された?
・松本の貞亨騒動や上田の宝暦騒動 信州で百姓一揆が続発したわけ
・松本城が直面した取り壊し危機 救ったのは松本の住民だった!

などなど、激動の長野の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 長野で育まれた産業や文化

・江戸時代に整備された用水路 五郎兵衛用水路とは?
・信州の気候風土を生かした寒冷地農業のここがすごい!
・蚕糸王国として栄えた長野県が電気機械工業県に変貌したわけ
・明治期の外国人別荘に始まる軽井沢エリアのリゾート化
・洪水を繰り返してきた暴れ川、千曲川を巡る治水事業の全容
・日本三大奇祭に数えられる、諏訪大社の御柱祭の本質とは!?

などなど長野の発展の歩みをたどる。

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