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【岩手の古代の歴史と文化】縄文時代に始まった人々の定住化

約1万8000年前から、地球規模での温暖化が起こり、氷河が融解して海水面が上昇しました(縄文海進)。岩手県域の形状や気候が現在のものに近づき、自然環境が豊かになるにつれて、狩猟・漁労生活を営む人々が定住するようになります。

御所野遺跡(ごしょのいせき:一戸町)ではドーム型の土屋根をもった竪穴住居が登場し、大型住居や環濠(かんごう)集落が姿を現しました。

縄文時代につくられた土器を見ると、県北部を境に円筒式土器圏と大木(だいぎ)式土器圏に分かれます。円筒式土器は北方、大木式土器は南方の土器の特徴です。岩手県域は文化の混じり合う地域だったようです。

岩手県域のおもな縄文遺跡

岩手県域のおもな縄文遺跡
岩手県HPの資料を元に作成

縄文時代には人々が定住生活を送るようになります。生活拠点となる集落の遺跡は、川の近くの高台に多く見られます。

【岩手の古代の歴史と文化】稲作文化が伝わるも弥生文化の受容は遅れた岩手県域

次第に岩手県域にも西から稲作文化が伝わり、北上川流域には農耕文化が浸透していきましたが、弥生文化の受容は遅れました

『日本書紀』によると、景行天皇の即位25年(95年頃)には武内宿禰(たけしうちのすくね)が東北に派遣され、蝦夷(えみし)(朝廷の支配を受けない人々)の暮らす「日高見国(ひたかみのくに)」(北上川周辺とする説がある)があったと報告されており、すでに東北は「後進」地域と見なされていた様子がうかがえます。

【岩手の古代の歴史と文化】律令国家の成立と「三十八年戦争」以降朝廷の支配下に入った岩手県域

律令国家が成立する頃になると、東北地方は「道奥国(みちのくのくに)」とか「陸奥国(むつのくに)」と呼称されるようになります。当初は朝廷の支配が及ばない地域でしたが、やがて奥羽にまで版図を拡大していく過程において、朝廷は蝦夷に対して「三十八年戦争」と呼ばれる征討を行い、その際に蝦夷の族長・アテルイが激しく抵抗し、朝廷は征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)を派遣することになります。

朝廷の支配下に入った奥羽は安倍氏が治めました。しかし、安倍氏は半独立的な勢力で朝廷に従順ではなく征伐されてしまいます(前九年の役)。安倍氏打倒に功のあった清原氏も内紛(後三年の役)で滅ぶと、奥州は藤原氏が支配することになるのでした。

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Part.1 地図で読み解く岩手の大地

・盛岡のまちを見守る名峰 岩手山はどうやってできた?
・宮沢賢治が名付けた理想の地? イーハトーヴの風景地とは
・三陸海岸のうち南部だけが リアス海岸になっている理由
・三陸沖で多発する地震と 津波発生のメカニズムを探る
・平泉の黄金文化を支えた 玉山金山はどこがすごい?
・カルスト台地に刻まれた猊鼻渓と 幽玄洞は古生代の化石の宝庫!
・ティラノサウルス類化石も発見! 国内最大の琥珀産地・久慈

などなど岩手のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 岩手を駆け抜ける鉄道網

・軌道から車両まで対策は万全! 積雪地帯を快走する東北新幹線
・一ノ関以北で客車が走り続けた 大幹線・東北本線の歴史と実力
・急勾配を克服する物流の幹線 IGRいわて銀河鉄道がすごい!
・『銀河鉄道の夜』の原風景を走る岩手軽便鉄道に始まった釜石線
・三陸縦貫鉄道を引き継ぎ誕生! 沿岸部を走る三陸鉄道リアス線
・龍ヶ森の急勾配を越えろ! 奥羽山脈を横断する花輪線

などなど岩手ならではの交通事情を網羅。

Part.3 岩手で動いた歴史の瞬間

・人々が定住し集落が生まれ 南北それぞれの文化が発達
・胆沢平野を中心に米作が進み 強大な権力も生まれる
・蝦夷のリーダー・アテルイと ヤマト王権の熾烈な争い
・安部氏から奥州藤原氏 やがて群雄割拠の戦乱へ
・前九年・後三年の役が終結し 花開いた黄金の平泉文化
・大崎氏と斯波氏の時代を経て 南部氏と伊達氏が台頭
・戊辰戦争での敗北から 紆余曲折ののち岩手県が成立

などなど、激動の岩手の歴史に興味を惹きつける。

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