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【秋田の地形②】山地

北側の青森県との県境にはブナの原生林が広がり、世界自然遺産に登録されている白神山地。東側の岩手県との県境には県内最高峰の秋田駒ヶ岳(こまがたけ)(標高1637m)を含む奥羽山脈(おううさんみゃく)が南北に伸びます。

この西側には青森県西部から山形県南部まで続く出羽山地(でわさんち)があります。また、南側の山形県と秋田県との県境には鳥海山(ちょうかいさん)や丁岳山地(ひのとだけさんち)、神室山地(かむろさんち)が連なります。

【秋田の地形③】川と平野

三方を山々に囲まれているため、平地の多くは北部を流れる米代川(よねしろがわ)や南東部を流れる雄物川(おものがわ)の流域、子吉川(こよしがわ)下流に見られます。

米代川流域には花輪盆地大館盆地(おおだてぼんち)、鷹巣盆地(たかのすぼんち)、能代平野(のしろへいや)が上流から階段状に配列し、それぞれの盆地は山地によって隔てられています。

また流域に十和田火山を起源とする火砕流堆積物が広く見られ、米代川沿いには沖積層(ちゅうせきそう)が分布しています。雄物川流域には横手盆地仙北平野(せんぼくへいや)、秋田平野、子吉川下流には本荘平野があります。

秋田の特徴的な地形

能代平野
米代川の下流に、東西最大約15㎞、南北約40㎞に広がる能代平野。面積は約1000㎢あり、海岸には能代砂丘があり、その内側には米代川が潟湖を埋めた沖積平野と隆起三角州があります。

森吉山(もりよしざん)
北秋田市に位置する森吉山は、標高が1454m、裾野にはブナ林、標高1000m以上の場所にはオオシラビソが生え、多くの高山植物が見られることから「花の百名山」のひとつに選ばれています。降水量が多く、多雪地帯として知られ、1月上旬から3月上旬になると樹氷平に巨大な樹氷群が現れます。

森吉山

宮沢林道の大褶曲露頭(しゅうきょくろとう)
由利本荘市石沢地区にある宮沢林道の大褶曲露頭は、約1200万年前に堆積した女川層(おんながわそう)が現れた場所です。幅約20m、高さ約50mにわたってジグザグに曲がった地層が見られます。これはプレートの動きによって東西方向に強い力を受けて押し曲げられたためです。日本地質学会の「日本の地質構造100選」に選ばれています。

奈曽(なそ)渓谷
鳥海山の6合目付近から北側に伸びる奈曽渓谷は、長い年月をかけて奈曽川が削ってできた深さ約300〜500m、幅約500〜1000mのV字形の渓谷です。渓谷斜面の角度は50度を超えるといわれています。渓谷の下部は約45万〜40万年前に噴火した溶岩で、渓谷の上部は約10万年前の溶岩からなります。

川原毛(かわらげ)地獄
秋田県湯沢市高松川原毛にある川原毛地獄は、火山ガスが噴出するため草木が生えず、地獄のような荒涼とした景色が広がっていることからその名がつきました。標高800mにある火山性の地熱帯で、至るところから強烈な臭気とともに火山ガスが噴出しています。1966(昭和41)年までの344年間、ここで硫黄の採掘が行われていました。

大地震の爪痕「千屋(せんや)断層」

1896(明治29)年、秋田県と岩手県の県境で、マグニチュード7.2の大地震「陸羽(りくう)地震」が発生しました。

この地震を引き起こした横手盆地東縁断層帯のひとつ「千屋断層」は、仙北市田沢湖町の生保内(おぼない)地域から美郷町六郷東根まで約40㎞にわたって断続的につながり、山側が平野側に対してゆるい角度でのし上がった逆断層で、垂直の落差は美郷町一丈木(いちじょうぎ)で最大3.5mにも達します。1995(平成7)年に国の天然記念物に指定されました。

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地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から秋田県を分析!

秋田県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。秋田の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く秋田の大地

・秋田県の地形総論
・火山の痕跡や地殻変動を体感!男鹿半島ぐるり1周ジオ巡り
・世界最大の二重カルデラ湖「十和田湖」はどうやって生まれた?
・地下にかつての雄物川の流路!? 秋田平野が形成の驚きのしくみ
・黒川や雄物川流域に油田続々!秋田ではどうして油が採れる!?
・ブナ林が発達し海成段丘が縁取る 起伏が激しい白神山地の形成史
・美しき田園・象潟の九十九島は鳥海山の山体崩壊でできた
・大館・鷹巣・鹿角盆地と能代平野 米代川流域に形成された地形の謎

Part.2 秋田を駆ける充実の交通網

・全国2番目のミニ新幹線、E6系「こまち」が走る秋田新幹線
・一部レール幅を変えて新幹線もいく!福島~青森を結ぶ幹線・奥羽本線
・新津~秋田を結ぶ日本海側の動脈 寝台特急「日本海」も走った羽越本線
・米代川に沿って走る本州横断線 スイッチバックも見事な花輪線
・東能代~川部を結ぶ絶景ローカル線 「リゾートしらかみ」が走る五能線
・鷹巣と角館を結ぶ旧国鉄角館線 秋田内陸縦貫鉄道は見どころ満載!
・釜石~横手~本荘を結ぶ大計画も!? 由利高原鉄道鳥海山ろく線がすごい
・小坂鉱山の鉱石輸送のため開業 旅客輸送も担った幻の小坂鉄道/昭和40年代に消えたローカル私鉄 羽後交通の雄勝線・横荘線とは?

Part.3 秋田の歴史を深読み!

・秋田の古代史総論
・大型住居跡やストーン・サークルなど秋田県の縄文遺跡がおもしろい!
・出羽柵が遷置・整備されて秋田城と呼ばれるようになった
・奥羽を支配した出羽の豪族・清原氏が後三年の役により滅亡
・秋田の中世史総論
・八郎潟東岸を拠点とする大河兼任が鎌倉幕府に対して反乱を起こす
・秋田の近世史総論
・佐竹氏の入部以降、鉱山開発が進み鉱業が秋田藩の財政を支えた
・古来より栄えていた舟運に加え街道が整備され交易が盛んに!
・近現代史総論/奥羽越列藩同盟を離脱し新政府側へ 秋田藩の戊辰戦争と戦後のゆくえ
・日本最後の空襲となった土崎空襲 どうして土崎港が狙われたのか?

Part.4 秋田で育まれた産業や文化

・全国屈指の産油量だった秋田県がシェールオイルの開発・商業生産へ
・秋田港、船川港、能代港 三つの重要港湾が海上輸送網の拠点
・国内有数の米どころ・秋田県は農業産出額の5割以上を米が占める
・かつては国内2位の広さを誇る湖!? 八郎潟の干拓と大潟村の歴史
・古来より建材や工芸品に用いられた秋田杉の活用と保存の取り組み
・日本のロケット発祥の地は秋田県の道川海岸だった!
・地熱発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入が加速
・県内各地で伝承されている民俗芸能 国指定重要無形民俗文化財は国内最多!

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