耐冷・耐病品種の育成も模索され、花館村（現・大仙市）にあった国立農事試験場陸羽（りくう）支場で1921（大正10）年、いもち病や寒さに強い交配種「陸羽132号」の育成に成功。同品種の普及とともに米質、乾燥、俵装の改善も進みました。

昭和時代には榊村（現・能代市）で生産・出荷された陸羽132号、通称「榊米」が人気を博します。俵のなかにはがきを入れて消費者の声を集めたり、東京で批評会を開いたり、消費者の立場に立った販売戦略で、東京市場で高評価を受けたのです。

第二次世界大戦後は食糧不足から全国的に米の増産が推進されました。秋田も栽培法の改良や米質の向上、包装改善に取り組み、機械化や生産技術の向上による多収を実現しますが、全国的な増産や食生活の欧米化などにより、昭和40年代には米余りの時代が到来。量から質へ、米のニーズが変化しました。

秋田の銘柄米はこのほか、粘りと弾力のある「ゆめおばこ」、モチモチ食感の低アミロース米「淡雪こまち」など、多彩な種類がそろいます。2022（令和4）年には約12年間の開発を経て新品種「サキホコレ」がデビュー予定。ふっくらした食感と上品なうま味が特徴の秋田米最上位品種として期待されています。

秋田県は全域で反収500〜650㎏と土地生産性に優れています。反収、作付面積、収穫量とも県内1位は大仙市。

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