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港川人の全身骨格から読み取れた生活

港川人の推定身長は男性が153㎝、女性が145㎝。現代人と比べると、かなり小柄でした。また、人骨をレントゲン検査したところハリス線が確認されます。ハリス線とは、栄養失調や病気などにより一定期間成長が止まった痕跡として骨に表れる横線のことで、単に栄養状態が悪化するだけではなく、十分に栄養を摂取できた時期がその前後にあると線が顕著になるとされています。港川人の食糧事情は季節や時期によって大きく左右されており、常に飢餓と隣り合わせであったようです。

港川人の生活は謎だらけ

港川遺跡からは、石器などの明確な人為遺物は発見されていません。このため、港川人がどのような生活をしていたのかは不明です。イノシシの骨からは人為的な打撃痕が見つかっていますが、狩猟に用いた道具や手段はわかっていません。

港川人と同じ時代を生きた動物たち

なお、港川遺跡からは、イノシシ以外の生物の骨も見つかっています。現在では絶滅したリュウキュウジカやリュウキュウムカシキョン、現存する種ではケナガネズミ、カエル、ハブなど。イノシシの化石は遺跡の上の層から、シカ類の化石は下の層から見つかりました。港川人は初めシカを狩猟の対象としていましたが、シカの絶滅にともない、イノシシを獲物にしていったようです。

雄樋川河口にある港川遺跡。同時期の遺跡であるサキタリ洞遺跡も雄樋川沿いにあり、遺跡間は約1.5㎞と近い。

港川人の起源は太平洋沿岸部にあり

港川人は骨の形状から中国南部の「柳江人(りゅうこうじん)」に似ているとか、あるいはジャワ島(インドネシア)のワジャク人に似ているとも指摘されました。現在は東南アジアなど、太平洋沿岸部に居住していた不特定の集団が起源ではないかとも考えられています。かつては縄文人の祖先と考えられていましたが、研究が進むにつれて、その説は否定的に考えられるようになったようです。

旧石器時代の人々の暮らしがわかるサキタリ洞遺跡

サキタリ洞遺跡は、ガンガラーの谷(南城市)の一画にある旧石器時代以降の遺跡であす。2014(平成26)年には約2万年前の人骨とともに、国内では初めて旧石器時代の遺跡から貝製の道具や装飾品が見つかりました。また、同年には、埋葬されたと思われる状態の約9000年前より前の人骨が、さらに2016(平成28)年には世界最古の釣り針が発見され、旧石器時代の人々の暮らしを知ることができる遺跡として注目を集めています。現在、洞窟の一部はカフェとなっており、ガンガラーの谷ガイドツアー(要予約)の参加者のみ、待合スペースとして利用可。

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Part.1 地図で読み解く沖縄

・造山運動によって形成された琉球列島/新しい地層と古い地層、南北で異なる沖縄本島の地質
・エメラルドグリーンの海は隆起してできたサンゴ礁のおかげ?
・グスクの石垣から地下ダムまで利用される琉球石灰岩
・貴重な自然の宝庫「やんばるの森」とは?
・マングローブの生態系が「生きものたちのゆりかご」と呼ばれるのはなぜ?
・県内唯一の活火山島である硫黄鳥島は硫黄の産地だった
・西表島で行われた炭鉱開発とは?…などなど沖縄の自然を解説。

Part.2 陸海空、沖縄に巡らされた交通網

・那覇空港と市街を結ぶ県内唯一の鉄道路線「ゆいレール」
・県民の足として、輸送手段としても活躍していた沖縄県鉄道とは?
・海軍の飛行場からスタートし、各地を結ぶ那覇空港
・明治初め、本州と那覇を結ぶ国内最長の定期航路が誕生!
・沖縄復興のシンボルといわれた730バスとは、どのようなバスだったのか?
・全ての道は首里城に通じる?首里城から那覇港、本島南部に通じる琉球石灰岩の道

…などなど沖縄の交通事情を解説。

Part.3 沖縄で動いた歴史の瞬間

・沖縄の古代史総論/約2000万年前に住んでいた港川人はどこからやってきたのか?
・沖縄本島を三分割して約100年も勢力争いが続いた三山時代とは?
・琉球から江戸まで片道2000㎞の長旅 琉球使節の江戸参府の全貌
・黒船が琉球にやってきた!浦賀上陸前に琉球を訪れたペリーの目的とは?
・ソテツ地獄を経て、国内で唯一戦場となった沖縄
・沖縄の日本復帰を記念して開催された沖縄海洋博覧会とは?

…などなど沖縄の歴史を徹底解説。

Part.4 沖縄で育まれた産業や文化

・元々は宮廷料理だった?沖縄の郷土料理・沖縄そば
・男子禁制の祈りの場、御嶽とはいったいどのような場所なのか?
・15世紀に伝わり戦火からも復活!沖縄を代表する酒・泡盛の奇跡
・薩摩から朝鮮人陶工がやってきたのが始まり?沖縄やちむんの魅力とは
・絣や紅型のほか多彩な染織物「染色文化の宝庫」と呼ばれる沖縄

…などなど沖縄の産業と文化を丁寧に解説。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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