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ペリーが琉球に姿を現す

1852年11月にアメリカ東海岸のノーフォーク(バージニア州)を発ったペリー艦隊は、大西洋を横断してモロッコ西岸沖のマデイラ島に至り、アフリカ大陸西岸を南下してケープタウンの喜望峰(きぼうほう)を回り、インド洋のモーリシャスを経由してマラッカ海峡を抜け、1853年4月には香港に到着します。ペリーはそこで艦隊を編成したのち、5月17日に出航し、同月26日に那覇に姿を現したのです。

ペリーは琉球へ来航し沖縄島の調査を実施

ペリーは2門の大砲で琉球を恫喝(どうかつ)し、200の兵を率いて首里城まで進軍します。琉球を日本との交渉の前線拠点にする狙いがあったため、かなり強硬な姿勢を見せ、首里城北殿にて総理官と会見しました。

ペリーの沖縄島調査の道のり

その後、ペリーは5月30日から6日間にわたって、沖縄島の調査を実施します。那覇波上の護国寺を出て東に向かった調査隊は、沖縄島の東部を海岸沿いに逆時計回りに進み、4日目に漢那から西海岸へと抜けて、読谷や北谷を経て那覇へと戻りました。調査隊は6日間でおよそ173㎞の道のりを踏破したようです。

ペリー率いるアメリカ艦隊が1853年5月26日に那覇港に停泊し、編成された調査隊が同月30日から沖縄島の調査を開始します。調査は6日間、約173㎞に及びました。

ペリーは琉球を経由して翌年に再来航

ペリーは翌1854(嘉永7)年にも来航しますが、このときも琉球を経由して浦賀に向かいました。横浜村(神奈川県横浜市)で日米和親条約を締結したペリーは、さらに下田(静岡県下田市)で13カ条の付帯協定(下田条約)を結び、琉球へと戻ってきたのです。

ペリーは琉球王国に対しても不平等条約を迫る

同年7月7日にペリーは琉球王国に対してアメリカとの条約締結を迫り、4日後の7月11日にはなかば強制的に琉米修好条約を調印させます
この条約には、米国艦船に対して必要な物資や薪水を提供することや難破船員の生命や財産の保護、水先案内人の協力、自由貿易などと並び、領事裁判権を認めることも盛り込まれていました。
もし琉球が抵抗するようなら武力で制圧しても構わないとフィルモア大統領から許可を得ていたとされており、琉球王国はこの不平等条約を結ばざるを得ない状況でした。

日本は黒船来航によって開国して明治維新を迎えることになりますが、それと同時に琉球も新しい時代へと突入していくのでした。

ペリー来航より前に琉球を欧州に紹介した西洋人

バジル・ホールは、ペリーより30年以上前に琉球に来航した西洋人です。イギリスの海軍将校であるホールは、1816年にイギリス船ライラ号で琉球を訪れ、40日ほど滞在しました。本国に帰国後、航海記録『朝鮮西海岸及び大琉球島探検航海記』を刊行。琉球を穏和な非武装の国と好意的に評価し、流刑中のナポレオンにも琉球を紹介しました。本書はオランダ語やドイツ語などにも翻訳され、ヨーロッパに琉球の存在をおおいに知らしめたのです。

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Part.1 地図で読み解く沖縄

・造山運動によって形成された琉球列島/新しい地層と古い地層、南北で異なる沖縄本島の地質
・エメラルドグリーンの海は隆起してできたサンゴ礁のおかげ?
・グスクの石垣から地下ダムまで利用される琉球石灰岩
・貴重な自然の宝庫「やんばるの森」とは?
・マングローブの生態系が「生きものたちのゆりかご」と呼ばれるのはなぜ?
・県内唯一の活火山島である硫黄鳥島は硫黄の産地だった
・西表島で行われた炭鉱開発とは?…などなど沖縄の自然を解説。

Part.2 陸海空、沖縄に巡らされた交通網

・那覇空港と市街を結ぶ県内唯一の鉄道路線「ゆいレール」
・県民の足として、輸送手段としても活躍していた沖縄県鉄道とは?
・海軍の飛行場からスタートし、各地を結ぶ那覇空港
・明治初め、本州と那覇を結ぶ国内最長の定期航路が誕生!
・沖縄復興のシンボルといわれた730バスとは、どのようなバスだったのか?
・全ての道は首里城に通じる?首里城から那覇港、本島南部に通じる琉球石灰岩の道

…などなど沖縄の交通事情を解説。

Part.3 沖縄で動いた歴史の瞬間

・沖縄の古代史総論/約2000万年前に住んでいた港川人はどこからやってきたのか?
・沖縄本島を三分割して約100年も勢力争いが続いた三山時代とは?
・琉球から江戸まで片道2000㎞の長旅 琉球使節の江戸参府の全貌
・黒船が琉球にやってきた!浦賀上陸前に琉球を訪れたペリーの目的とは?
・ソテツ地獄を経て、国内で唯一戦場となった沖縄
・沖縄の日本復帰を記念して開催された沖縄海洋博覧会とは?

…などなど沖縄の歴史を徹底解説。

Part.4 沖縄で育まれた産業や文化

・元々は宮廷料理だった?沖縄の郷土料理・沖縄そば
・男子禁制の祈りの場、御嶽とはいったいどのような場所なのか?
・15世紀に伝わり戦火からも復活!沖縄を代表する酒・泡盛の奇跡
・薩摩から朝鮮人陶工がやってきたのが始まり?沖縄やちむんの魅力とは
・絣や紅型のほか多彩な染織物「染色文化の宝庫」と呼ばれる沖縄

…などなど沖縄の産業と文化を丁寧に解説。

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