フリーワード検索

ジャンルから探す

トップ > カルチャー >  全国 >

李方子は韓国で福祉事業に尽力

日本で暮らしていた2人の生活は、終戦を機に一変します。日本の敗戦により、突如王族の立場を剥奪されたのです。韓国への帰国を望むも、大統領・ 李承晩(イスンマン)が拒否。垠が韓国人であり、日本の軍人でもあったため、公家に支払われる一時金も軍人恩給も支払われません。

日韓どちらにも居場所をなくした2人は困窮しました。李承晩が失脚し、親日家の朴正煕(パクチョンヒ)が実権を握るとようやく韓国への帰国が許されることになります。しかし66歳の垠は病を患い意識が混濁。祖国の土を踏む喜びを味わうことは叶いませんでした。

大韓民国の国籍を得た李方子は、反日感情から敵意を向けられることもありました。しかし韓国のために、夫婦2人の夢であった福祉活動に取り組みます。心身障害児の教育に尽力し、資金集めにも奮闘するのです。没後には、韓国国民勲章が贈られました。

李方子(りまさこ)のプロフィール

朝鮮王朝皇太子妃、社会事業家
生まれ:東京都千代田区
生没年:1901[明治34]年11月4日~1989[平成元]年4月30日
出身校:女子学習院高等科(現・学習院女子中・高等科)

『Woman Style100 日本の女性偉人たち』好評発売中!

時代を切り拓いた日本の偉大な女性100人
現代を生きるヒントが見つかるニュー偉人伝

いま世界中で人種差別問題が噴出し、ジェンダーの壁を取り払った社会的マイノリティの権利拡大、女性のさらなる社会進出の背中を押す動きが加速。世界の女性が経済・政治など多彩な場面で活躍する一方、日本の女性の活躍度の低さは「ジェンダー・ギャップ指数」などにも表れています。

本書は、社会を変革してきた日本の女性偉人100人を、歴史の流れに沿うのではなく、生き様をテーマ別にして紹介するこれまでにない画期的な構成。
日本編では、女性にとっての新しい道を開拓した人、男性中心の世界で努力を重ね結果を出してきた人、世界を舞台に活躍する人らが登場。彼女たちの生き方、考え方を通して、現代を強く生きる知恵・マインドを学びます。

どこか生きづらさを感じている女性、多様性のなかを生きる子供たちに、勇気をおくる一冊です。

監修者:ヤマザキマリ

漫画家・文筆家。東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。
84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。

2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞受賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『スティーブ・ジョブス』(ワルター・アイザックソン原作)『プリニウス』(とり・みきと共著)『オリンピア・キュクロス』『国境のない生き方』『ヴィオラ母さん』『たちどまって考える』『ヤマザキマリの世界逍遥録』『ムスコ物語』など。

『Woman Style100 日本の女性偉人たち』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  全国 >

この記事に関連するタグ