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会津鉄道会津線の開業

会津鉄道会津線の歴史は古く、栃木県今市から山形県米沢に至る明治期の「野岩羽線(やがんうせん)」構想の一部として建設されました。

西若松~会津田島間は簡易線規格で1934(昭和9)年12月までに会津線として開業。会津田島~会津滝ノ原(現・会津高原尾瀬口)間は、改正鉄道敷設法による今市~会津田島間の野岩線として1936(昭和11)年に着工。戦後の1953(昭和28)年11月に会津線の延伸部として開業しました。

会津鉄道会津線は野岩鉄道、東武鉄道との直通運転を開始

会津線は、1980(昭和55)年に制定された国鉄再建法に基づく特定地方交通線で廃止の対象になっていましたが、野岩鉄道の開通による直通運転をにらみ第三セクター化。1987(昭和62)年7月に会津鉄道会津線となり、1990(平成2)年10月に会津田島以南が電化。野岩鉄道、東武鉄道との直通運転を開始しました。

以来、会津田島駅を境に運転系統が異なり、電化区間は野岩鉄道、東武鉄道に直通する電車が走り、非電化区間は西若松駅からJR只見線を経て会津若松駅に直通する気動車が走ります。気動車は電化区間も走れるため、一部の車両はJR線~東武鉄道間の広域な乗り入れを行っています。

会津鉄道会津線は野岩鉄道、東武鉄道との直通運転を開始

茅葺き屋根の駅舎が見事な湯野上温泉駅。会津鉄道開業の1987(昭和62)年に完成しました。

会津鉄道会津線を走る直通列車

現在の直通列車は、浅草~会津田島間を結ぶ特急「リバティ会津」が代表格。2017(平成29)年4月より運転を開始した東武鉄道の500系新型特急によるもので、会津田島駅では会津若松駅とのリレー号に接続します。

また、快速「AIZUマウントエクスプレス」は、2005(平成17)年3月より会津若松(多客期にはJR磐越西線喜多方)~東武鬼怒川線鬼怒川温泉間の直通運転を開始した列車で、2012(平成24)年3月からは東武日光駅にも直通している便利な列車です。車両のAT-700・750形は、特急車並みのクロスシートを備えた快適な設備を誇り大変人気があります。

会津鉄道会津線で美しい沿線の景観を楽しもう!「お座トロ展望列車」

会津線は、自社線内での観光にも力を注いでおり「お座トロ展望列車」を観光シーズンに運転。その名の通り、お座敷席、トロッコ席、展望席のあるイベント車による列車で、美しい沿線の景観を楽しめます。阿賀川に架かる途中3カ所の鉄橋上では停車し、絶景を思う存分楽しむことができます。

会津鉄道会津線で美しい沿線の景観を楽しもう!「お座トロ展望列車」
写真:会津鉄道

会津鉄道会津線のお座トロ展望列車のお座敷席

会津鉄道会津線は鉄橋風景の美しい路線

会津鉄道会津線は、国鉄時代から只見線と並んで鉄橋風景の美しい路線で、多数の鉄橋が架かっています。大川ダム建設による路線変更前の桑原(現・芦ノ牧温泉南)~上三寄(現・芦ノ牧温泉)間には、渓谷に鉄橋が架かり名所がたくさんありました。

大川ダム建設前の「舟子~桑原」区間

上三寄(現・芦ノ牧温泉)駅から桑原(現・芦ノ牧 温泉南)駅を経て湯野上温泉駅に至る区間の大半は、大川ダム建設にともない現在線へ線路が付け替えられています。そして、舟子駅(現・大川ダム公園駅の西に位置)の南から桑原駅(現・芦ノ牧温泉南の西に位置)にかけては、舟子・沼尾・桑原の3集落(当時)とともに旧線の大部分が湖底に沈みました。

会津鉄道会津線は国鉄時代にSLも活躍していた

国鉄時代の会津線は、タンク式で人気のC11形蒸気機関車が最後まで活躍し、全国からSLファンが訪れていたことでも知られています。普通列車も会津田島を境に野岩鉄道、東武鉄道、会津若松駅に乗り入れ、地域輸送はもちろん、各線からの列車を会津田島駅で連絡し大変便利です。

会津鉄道

住所
福島県会津若松市材木町1丁目3-20
交通
会津鉄道会津線西若松駅~会津高原尾瀬口駅
料金
区間により異なる(65歳以上は会津線全線2割引、障がい者手帳持参で会津線全線半額)

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Part.1:地図で読み解く福島の大地

・阿武隈山地や奥羽山脈が境目!浜通り・中通り・会津の3地域
・いわきで発掘された首長竜化石フタバスズキリュウとは?
・福島市がぽっかり入る福島盆地はどうやってできた?
・福島発展の礎を築いた常磐炭田
・磐梯山の大噴火と裏磐梯・五色沼湖群の形成
・猪苗代湖畔からウニ化石!?劇的な会津の地形の成り立ち
・石川町が日本三大産地のひとつ ペグマタイトとはどんな岩石?
・大改修から100年が経過 暴れ川・阿武隈川の今と昔

などなど福島のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2:福島を駆け抜ける鉄道網

・東北本線旧線の黒磯~白河間には明治時代の面影が残されている!?
・日本最大のC62形SL牽引「ゆうづる」が走った常磐線
・かつては東京と新潟を結ぶ架け橋、会津地方の大幹線・磐越西線
・東京・浅草から特急が直通しトロッコ列車も走る会津鉄道
・かつて硫黄輸送で活躍した猪苗代町の沼尻鉄道とは?
・只見川に架かる数々の鉄橋ほか 魅力いっぱい絶景鉄道・只見線

などなど福島ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3:福島で動いた歴史の瞬間

・人間の歯や骨をペンダントに!?原始福島の不思議な弔い
・東北地方最古の前方後円墳!会津大塚山古墳が示す会津の力
・浜通りに古代製鉄遺跡を発見! なぜ大規模な製鉄が行われた?
・中世史総論(関東武士が進出し国盗り合戦!白河・伊達・蘆名・岩城氏の攻防)
・南北朝時代に南朝が拠点とした幻の寺院城郭・霊山寺とは?
・伊達氏のルーツは福島にあり!奥州制覇を果たす道のり
・相馬地方を約700年統治した古豪・相馬氏とはどんな一族?
・奥州きっての城下町・若松はどのようにして生まれた?
・会津若松城で籠城戦を続けた会津藩が開城に至るまで

などなど、激動の福島の歴史に興味を惹きつける。

Part.4:福島で育まれた産業や文化

・最澄と大論戦した僧・徳一が開祖!慧日寺から始まった会津の仏教文化
・猪苗代湖の水を郡山へ! 幹線延長52㎞の安積疏水事業
・県境には二ツ小屋隧道が残る 福島と米沢を結んだ万世大路
・東北唯一の中央競馬場が福島市につくられたわけ
・幕府直営の半田銀山 明治時代は五代友厚が経営
・感染症と闘い続けた細菌学者・野口英世の生涯
・日本酒の金賞受賞数日本一!福島の地酒はなぜすごい?

などなど福島の発展の歩みをたどる。

ほか、巻頭「空撮グラビア」、テーマ別地図、コラム「データでわかる全59市町村」(人口、所得、農業・漁業)、吉田初三郎が描いた福島県の鳥瞰図 など

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