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「ファミコン」がブームとなった1985年はこんな年でした

1985年、昭和60年はこんなことがあった年でした。

・つくば市で「科学万博」開催
・電電公社と日本専売公社が民営化
・日本航空123便墜落事故
・松田聖子と神田正輝が結婚

東京では、両国の駅前に国技館が完成し、蔵前から隅田川を越えて戻ってきました。また1971年西新宿に竣工した京王プラザホテル(47階・180m)に始まった高層ホテルはその後年々増加し、この年28階建ての浅草ビューホテル、西新宿にはヒルトン東京(38階・130m)が完成、翌1986年には赤坂にANAインターコンチネンタルホテル(36階・133m)の開業が控えています。

新宿西口の変化。15年ほどで高層ビル街に「MAPPLEアーカイブズ 新宿区」より(クリックで拡大します)

両国に戻ってきた国技館。「MAPPLEアーカイブズ 台東区・墨田区」より(クリックで拡大します)

当時の街で流行っていたものは…

・スーパーマリオブラザーズ
・ビックリマンチョコ
・ハンディカム(ビデオレコーダ)

1983年に発売されていた任天堂ファミコンに「スーパーマリオブラザーズ」のヒット作が加わり大ブームになります。テレビではフジテレビ「夕やけニャンニャン」の放送が始まり、「機動戦士Zガンダム」「タッチ」などのアニメも人気を集めました。この年のヒットソングはこんな感じです。

・ジュリアに傷心(チェッカーズ)
・ミ・アモーレ(中森明菜)
・恋におちて(小林明子)
・Romanticが止まらない(C-C-B)

社会的にはこの後の円高不況を経て、バブル景気へと入っていく時代です。当時の「国鉄」から”きっぷが買えるプリペイドカード”の「オレンジカード」が登場、ひと足先に民営化されたNTTからは日本初の携帯電話も発売されますが、重さ3kg!。肩掛けカバンに受話器がついたようなスタイルで「ショルダーフォン」という名でした。

地図からかなり離れてしまいましたので、話題を戻します。

街なかでは1977年から試行的に始まった「歩行者天国」はこの頃都内各地で実施され、地図にもそのエリアが表示されています。原宿や代々木公園の「ホコ天」ではこの後に「竹の子族」が誕生、1990年代にかけてのバンドブームへと発展していきます。「新人類」という流行語が登場したのもこの時代でした。

原宿駅から延びる歩行者天国(赤色の道路)。1998年まで休日毎に実施されていた「MAPPLEアーカイブズ 渋谷区」より

1968年には40%ほどだった各家庭の風呂普及率は80%を超え、多くの人々にとっては日常的に銭湯を利用することが少なくなりました。次第に軒数も減り地図情報としての重要度も下がったことから、やがて掲載自体を取りやめていくことになります。

まだ「浴場」の記号がある1985年地図の凡例。地下鉄線の下が空いているのは都電とトロリーバスの路線を削除した跡?「MAPPLEアーカイブズ 墨田区」より

「東京ディズニーシー」が開園、21世紀に入った2001年

21世紀に入った2001年はこんな年でした。

・東京ディズニーシー開園
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン開園
・アメリカ同時多発テロ事件
・小泉内閣が誕生(小泉旋風)

さあミレニアム!と未来的なイメージでスタートした2001年です。東西にビッグなテーマパークが誕生し賑わいが増した反面、まるで映画のシーンと見間違うような衝撃的なテロ事件が発生した年でもあります。

東京では晴海のトリトンスクエア、渋谷のセルリアンタワー、愛宕グリーンヒルズなど、オフィスやショップ、ホテルなどからなる複合施設の高層ビルが竣工しています。

晴海にできた「トリトンスクエア」。運河の対岸、江東区にはまだ石川島の造船所が見える(現:ららぽーと豊洲)「MAPPLEアーカイブズ 中央区」より(クリックで拡大します)

当時の街で流行っていたものは…

・ベイブレード
・缶チューハイ
・WindowsXP

テレビでは「ビューティフルライフ」「やまとなでしこ」が話題になっています。ミュージック界では

・Can You Keep A Secret?(宇多田ヒカル)
・M(浜崎あゆみ)
・PIECES OF A DREAM(CHEMISTRY)

などがヒットしますが、この年Appleから携帯プレーヤー「iPod」が発売され、次第に音楽の楽しみ方が変わっていきます。前年の2000年にはカメラ付き携帯電話が登場、「写メール」による記録と情報の伝達が身近になってきた時代でもあります。

2001年から2014年にかけて変化した渋谷の街。今も変わり続けている「MAPPLEアーカイブズ 渋谷区」より(クリックで拡大します)

なお2001年刊行の地図には、1968年から掲載されていた映画館の情報がありません。実際、都内の映画館数も半分以下の200軒ほどに減少するなど、映画業界全体のポジションが変わってきた頃のようです。そんな環境ですが「ハリー・ポッターと賢者の石」「千と千尋の神隠し」などが記録的なヒット作品となりました。
映画館自体はこの後「シネコン」の隆盛で増加に転じていきます。しかしかつて街のあちこちにあった映画館は大きなショッピングモールのテナントが主流となり、目標物としての地図記号は役目を終えたのです。

「アナと雪の女王」がヒットした2014年からも変化しています

4つめ、2014年はこんな年でした。

・日本一高いビル「あべのハルカス」大阪に完成
・お昼の定番番組『笑っていいとも!』放送終了
・消費税が5%から8%にアップ
・富岡製糸場が世界文化遺産に登録

”10年ひと昔”前ですが、まだ記憶に新しいことが多いと思いますので、振り返りもさらりと軽めに参ります。

東京はこの後2020年の「東京オリンピック」に向けての開発が本格化し、築地や豊洲など湾岸地区などが変貌していきますが、それは次の世代の地図に記録されていく事象になります。
この年、新しく東京にお目見えしたのは虎ノ門ヒルズ、東京駅八重洲口の駅前広場、都内3軒目となるアップルストア表参道もオープンしています。

「市場前」の駅だけがあった豊洲市場の予定地「MAPPLEアーカイブズ 江東区」より(クリックで拡大します)

1985年まで港区の地図になかったお台場も立派に成長。色づかいもカラフルになった。「MAPPLEアーカイブズ 港区」より(クリックで拡大します)

2000年代に入って都市地図もデジタル制作となり、従前の地図とは仕様や表現が大きく変わっていることに着目いただけると(中の人的には)嬉しいポイントです。

郊外のショッピングセンターを中心として各地に増えたシネコンではディズニー映画「アナと雪の女王」が大ヒット、子どもの間では「妖怪ウォッチ」が絶好調です。Appleの最新iPhoneは「6」となり、スマートフォンの普及率は6割を超えました。

23区内にもショッピングセンターに併設のシネコンが誕生「MAPPLEアーカイブズ 板橋区」より

音楽の配信サービスも一般化し、ヒット曲のスタイルも変化しています。ラブラドール・レトリバー(AKB48)、希望的リフレイン(AKB48)、GUTS!(嵐)はこの頃のベストナンバーでした。

『MAPPLEアーカイブズ 昭和・平成 都市地図』で「過去の街」への時間旅行

1968(昭和43)年からの約半世紀を駆け足で巡ってきました。4時代の地図からは建物や道路の形状的な変化だけでなく、当時の社会情勢や暮らしぶりも読み取ることができます。懐かしく往時を思い出すことができるばかりか、後の世代の人であっても、さまざまな情報と組み合わせることで、ある時代をイメージすることができるようになります。

地図を使うと「行ったことがない街」への空想旅行ができますが、昔の地図があれば「過去の街」への時間旅行を楽しむことも可能になります。皆さんが行ってみたい街はどの時代の、どの地図にあるでしょうか…。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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