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【出羽国の中世②】鎌倉幕府:源氏時代

奥州合戦終結後、源頼朝は論功行賞を行い、関東の御家人が地頭に補任されて出羽国に入部しました。源頼朝の側近で初代の政所別当に任じられた大江広元(おおえのひろもと)は、成島(なるしま)荘(米沢市)、屋代(やしろ)荘(東置賜郡)、北条荘(南陽市)、寒河江(さがえ)荘(寒河江市)の地頭となりました。やがて大江広元は、寒河江荘を嫡男に、置賜三荘(成島、屋代、北条)を三男に譲り、この三男がのちに長井氏を名乗るようになります。
庄内地方では武藤氏が大泉(おおいずみ)荘(田川郡)と海辺荘(酒田市・東田川郡)の地頭となり、村山地方では安達氏が大曾禰(おおそね)荘(山形市)の地頭となりました。

【出羽国の中世③】鎌倉幕府:北条執権時代

鎌倉幕府で源氏将軍の血脈が途絶え、執権北条氏が政治の実権を握ると、奥州では北条氏領が拡大していきます。大山、大曾禰(おおそね)、山辺(東村山郡)、北寒河江、小田島(東根市)、大泉(鶴岡市)、海辺などが北条氏領になったとされます。

鎌倉御家人たちが地頭として各地に配されました。地頭は堀や土塁で囲んだ居館(きょかん)に住み、農民らを使って新田開発を行っていました。
『図説 山形県の歴史』(河出書房新社、1996年)を元に作成。

【出羽国の中世③】南北朝時代

1333(元弘3)年に鎌倉幕府が滅ぶと、後醍醐天皇による建武の新政が始まります。それに足利尊氏が反抗して争乱が勃発し、足利派と後醍醐派で朝廷が南北に分裂した南北朝時代に突入します。陸奥国の北畠顕家(南朝方)への対策として、足利尊氏は斯波家長(北朝方)を奥州管領に抜擢。家長は斯波館(岩手県紫波郡)に下向しました。

斯波兼頼が大江氏を下し出羽国は北朝優位に

出羽国でも南北朝の争いが激化するなか、斯波兼頼(かねより)(家長の従兄弟)が最上郡山形(山形市)に山形城を築城して本拠地とし、寒河江の大江氏(南朝方)と対立の色を強めていきました。
1368(応安元)年、斯波兼頼は鎌倉公方・足利氏満(うじみつ)や奥州探題・大崎直持(おおさきただもち)(兼頼の兄)とともに大江氏を攻め、漆川(うるしがわ)(西村山郡大江町)で激突。この戦で大江氏を打ち負かし、出羽国での北朝方の優位を決定づけます。合戦後、大江氏は北朝方に帰順し、寒河江氏と名乗りを改めるのでした。

中世には、天守のある多層構造の城郭はなく、防衛に適した山城が多くあります。その痕跡が県内各地に残っています。
『図説 山形県の歴史』(河出書房新社、1996年)を元に作成。

【出羽国の中世③】室町~戦国時代

斯波兼頼は山形を中心に勢力を拡大していき、一族を村山や天童、上山など各所に配しました。1373(応安6)年には室町幕府から屋形号を許され、所領の最上郡にちなんで「最上」氏を名乗ります。斯波兼頼を家租とする羽州探題最上氏は、戦国時代にも確固たる勢力を維持し続けるのでした。

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Part.1 地図で読み解く山形の大地

・出羽富士・鳥海山の成り立ちと火山がもたらす湧水や地形
・山形盆地の成り立ちと扇状地に発展した県都・山形市
・大江町の最上川川床で発見!ヤマガタダイカイギュウって何だ!?
・河川がつくった肥沃な庄内平野を35㎞におよぶ庄内砂丘が守る
・最上川・五百川峡谷の誕生と流域に形成された河岸段丘
・どうやって誕生し段丘が発達?山形唯一の有人離島「飛島」の謎
・冬の名物・美しい樹氷はどうして蔵王山に形成されるのか?

…などなど山形のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山形を駆け抜ける鉄道網

・急勾配と豪雪を克服し新庄へ至る全国初のミニ新幹線・山形新幹線
・急峻な板谷峠で奥羽山脈越え!逞しき幹線・奥羽本線の今昔
・九州~北海道の貨物車両が走り日本海縦貫線をなす羽越本線
・日本初の交流電化路線にして今や貨物の重要路線の仙山線
・最上川の絶景峡谷を走る!新庄と余目を結ぶ陸羽西線
・三山・高畠・尾花沢の3路線 山形交通の鉄道路線網とは?

…などなど、山形ならではの交通事情を網羅。

Part.3 山形で動いた歴史の瞬間

・木の実でつくったクッキーも!? 山形県域の縄文時代
・和人が蝦夷の領域へと進出! 城柵から見る開拓の歴史
・鎌倉御家人が地頭として進出! 次第に激化する権力争い
・伊達氏との対立を経て統治者に君臨した最上氏の栄枯盛衰
・街道と航路が整備され 発展する沿道の産業と商業
・領主交代に領民が抵抗! 天保の国替え反対一揆とは?
・異名は鬼県令!? 初代県令三島通庸が推進した土木工事

…などなど、激動の山形の歴史に興味を惹きつける。

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