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カルデラとは?火山でよく見かける「円形のくぼみ」 その種類と形成もさまざま! 画像:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年9月7日

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カルデラとは?火山でよく見かける「円形のくぼみ」 その種類と形成もさまざま!

「カルデラ」とは、スペイン語やポルトガル語で鉄製の深く大きな鍋を意味するカルディーラに由来する言葉。
一般的なカルデラは、大規模な噴火で山体内部から火山灰、軽石、溶岩などが噴出し、マグマが空になった箇所が陥没して形成されるといわれています。しかし、火山大国日本には、ほかにもさまざまなカルデラがあり、地形の形成にも大きくかかわっています。

日本のカルデラ地形①:鬼界カルデラ(鹿児島県)

火山が短時間で巨大噴火を起こすと、マグマ溜まりの天井部分が支えを失って崩れ落ち、地表に大規模な陥没穴(かんぼつあな)ができます。この陥没孔のうち、一般的に直径2㎞以上のものをカルデラと呼んでいます。

鹿児島県の南に約50㎞、薩南諸島の硫黄島、竹島を含む鬼界カルデラは、東西23㎞、南北16㎞に及ぶ大型カルデラで、大部分は水深約400mの海底にあります。

鬼界カルデラの超巨大噴火

鬼界カルデラは、先史時代以前に何回か大規模な噴火を繰り返してきており、そのもっとも新しいものが、約7300年前に起こった世界最大規模の超巨大噴火です。縄文時代前半に起こったこの噴火では、海底火山から数百℃の火砕流が発生。火砕流は時速数百㎞のスピードで海上を走り抜け、大隅半島や薩摩半島など南九州地域一帯を襲いました。

南九州の地層を見ると、黒土層のなかに厚さ30㎝~1mほどのオレンジ色をした土の層が挟まっているのがわかります。この地層は「アカホヤ」と呼ばれていますが、これが鬼界カルデラ噴火の火山灰です。そのためこの大噴火は「鬼界アカホヤ噴火」とも呼ばれています。

日本のカルデラ地形②:阿蘇カルデラ(熊本県)

阿蘇カルデラは、長径約25㎞、短径約18㎞の広さを有しますが、残念ながら日本最大のカルデラではありません。北海道の屈斜路カルデラの長径約26㎞、短径約20㎞に次ぐ大きさです。一方、世界に目を向けるともっと大きなカルデラがあります。世界最大のカルデラは、インドネシアのスマトラ島北部にあるトバカルデラで、長径約100㎞、短径約30㎞あります。

しかし、屈斜路カルデラの半分は屈斜路湖が占めているし、トバカルデラも、そのほとんどはトバ湖が占めています。それに対して、阿蘇カルデラの内側には広々とした平原が広がり、鉄道や国道も整備され、実に多くの人々が農業や酪農で生活を営んでいます。こうした例は世界でも極めて珍しいのです。

阿蘇カルデラにあった湖

実は、この阿蘇カルデラにも、かつては湖がありました。それが消失して草原化したのは、海面上昇で大陸と切り離された日本がようやく現在の形になった、約1万2000年前の縄文時代初期のこととされています。

日本のカルデラ地形①:立山カルデラ(富山県)

毎年多くの人が訪れる観光地「立山黒部アルペンルート」は、弥陀ヶ原(みだがはら)や室堂(むろどう)など、見どころが多くあります。しかし、その弥陀ヶ原のすぐ南側には今でも崩壊を続ける「立山カルデラ」が広がっており、知られざるもう1つの立山ともいわれています。

立山カルデラは、東西約6.5㎞、南北約4.5㎞、標高差が500~1700mもあり、まさに巨大な鍋のような窪地です。大規模な噴火で山体内部から火山灰、軽石、溶岩などが噴出し、マグマが空になった箇所が陥没して形成されるのが一般的なカルデラ。しかしそれとは別に、火山体の侵食・崩壊等によって窪地が形成される侵食カルデラがあり、立山カルデラはこのタイプと考えられています。日本でも珍しいカルデラの形態の1つといえるでしょう。

立山カルデラ形成の歴史

飛騨山脈の隆起は約300万年前頃から始まりました。立山連峰では、数十万年前から噴火が始まり、溶岩や火山灰が噴出。これらが、立山地域の基盤である花崗岩類の上に火山岩として堆積し、雨や温泉水によって粘土化し、崩れやすい軟弱な地盤を形成したのです。

さらに立山カルデラ直下には、跡津川断層という横ずれの活断層があり、約3千年ごとに地震を起こしています。累積したずれは水平方向に3㎞にも及びます。この地震によって立山地域の粘土化した脆い火山体は繰り返し崩れて、不安定な土砂を生産してきました。しかもこの地域は、侵食力が強い常願寺川の上流にあたる場所。その侵食作用を受けてできた窪地が立山カルデラというわけです。

日本のカルデラ地形④:十和田カルデラ湖(秋田県)

十和田湖は十和田火山が噴火して、山体が陥没したカルデラに、水が溜まってできたカルデラ湖です。

約20万年前に始まった十和田火山の火山活動は、約4万3000〜約1万3000年前の間に大規模な噴火が少なくとも6回あり、そのうちの3回は高温の火山ガスと玄武岩(げんぶがん)質安山岩(あんざんがん)溶岩を流出するとともに大規模な火砕流(かさいりゅう)が発生したことがわかっています。このときに流出した火砕流堆積物は、十和田湖から100m以上離れた場所まで到達しています。

このような噴火によって十和田火山の中心部が陥没し始め、約1万5000年前には最大径約11㎞の第一カルデラができました。ここに雨水などが溜まり、現在の十和田湖の原形となる湖が誕生したのです。

世界最大の二重カルデラ湖

そして、約6000年前の噴火では、五色岩火山の北側が崩れ、湖水が火口に流入して、マグマと接触。その結果、大規模な水蒸気爆発が発生しました。この時に噴出した中掫(ちゅうせり)軽石は、東北地方のほとんど全域で見つかっています。この水蒸気爆発では、第一カルデラの中にもうひとつ、カルデラができました。これが中湖です

湖底の深さ約70〜100mと比較的平坦な十和田湖のなかで、この中湖がある場所は深さ約326.8mもあり、そのときの噴火の激しさを物語っています。中湖の直径は約3.00〜3.45㎞あり、二重カルデラがある湖としては、十和田湖は世界最大の規模を誇ります。

日本のカルデラ地形⑤:箱根カルデラ(神奈川県)

神奈川県南西部に位置する箱根山(火山)は、ひとつの山があるわけではなく、明星ヶ岳、明神ヶ岳、金時山など多くの山々からなる地域全体を指します。

構成要素は、ドーナツ状に連なる外輪山、それに囲まれたカルデラ、カルデラ内の比較的小さな火山群(中央火口丘)など非常に複雑な特徴をもっています。カルデラ内の西側には、県内最大の湖、芦ノ湖があります。

なお、箱根山のカルデラは、およそ東西8㎞、南北12㎞に及んでいます。そして、このカルデラがどうやってできたのかは、日本に地質学が導入された明治時代初期から論争の的になってきました。

ドーナツ状をした外輪山、中央火口丘、さらに芦ノ湖と地図の高低差もまた美しい箱根山 <国土地理院色別標高図を元に作成>

芦ノ湖はカルデラ湖

箱根随一の景勝地といってもいい芦ノ湖は、箱根の火山活動によってできたカルデラ湖です。約3000年前、箱根火山の中央火口丘のひとつである神山が水蒸気爆発を起こし、山体崩壊しました。その際に発生した岩屑なだれが西方面へ流れ、仙石原を流れていた早川をせき止めて芦ノ湖が形成されたと見られています。

そのいっぽうで、最近の研究で、それ以前にカルデラ内には「先芦ノ湖」と呼ばれる湖が存在し、火山活動によって拡大・縮小を繰り返していたといわれています。この場合、先芦ノ湖に神山の岩屑なだれが流れ込み、同時に早川をせき止めて芦ノ湖ができたというシナリオになります。

日本のカルデラ地形⑥:阿多南部カルデラ(鹿児島県)

開聞岳は、その東側にある阿多(あた)南部カルデラの西端で噴火した「火口丘」のひとつなのです。

阿多南部カルデラは、南九州に南北に連なる大型カルデラのひとつ。薩摩半島と大隅半島の南端にまたがり、その規模は南北約14㎞、東西約24㎞にも及びます。約11万年前、この地で巨大噴火が起こり、陥没したと考えられています。その後、カルデラの凹地に海が入り込み、現在は鹿児島湾の湾口部に隠れたような形になっています。

開聞岳は、このカルデラ噴火よりもはるかに新しい時代、約4000年前から活動を始めた若い火山です。阿多南部カルデラの西端に生じた火口から、粘り気の少ない玄武岩(げんぶがん)質溶岩やスコリアを繰り返し噴出することで、裾野を引く成層(せいそう)火山に成長したと考えられています。

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