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バーモンド州の政治

バーモンド州の選挙人の数は、3人です。バーモンド州は、環境意識が高く移住者が多い北西都市圏を中心に、リベラル優勢。発展からこぼれたバーモンド州北東の伝統的農村は、共和党を支持しています。

バーモンド州は、アメリカ人の心を癒す原風景が残る州

バーモンド州は、原風景が残る地として知られています。バーモンド州外から多くの観光客が訪れ、別荘を構える富裕層も少なくありません。四季折々で姿を変える壮麗な山々は、ハイキングやスキーの客で賑わっています。農業や酪農が盛んで、バーモンド州の木であるメープルシュガーからとれるシロップは、味も生産量もトップクラスです。

広大な牧草地には牛の群れが見られ、牧歌的な風景がアメリカ人の心を癒しています。おだやかな環境に惹かれバーモンド州外から移住する人も多く、地元生まれよりもニューカマーの人口増加率の方が高いというめずらしい土地でもあります。そして古き良きアメリカの景色を愛する恵まれたバーモンド州民らは、環境保護への意識が人一倍高いです。

バーモンド州に、今なお残る独立精神

バーモント州をアメリカの原風景たらしめている要因がもうひとつあります。それは特筆すべき旺盛な独立精神です。
かつてお隣ニューヨーク州と、ニューハンプシャー州に土地を狙われたバーモント州は、これに対抗するため義勇軍を結成。彼らは独立戦争に参戦しアメリカの勝利に大きく貢献すると、バーモント共和国として独立を宣言したのです。

幻の共和国は14年後に合衆国入りをして消えましたが、奴隷廃止、全男子への選挙権付与などのアメリカ初の取り組みを成し遂げました。バーモンド州となってからは、その独立心を強い先進性と独自性という形で発揮しました。

今日のバーモント州が革新派のバーニー・サンダースを上院議員として送り出したのも、受け継がれる独立精神の賜です。

バーモンド州を知るキーワード

バーモンド州のキーワード:北東の王国

アメリカの心の故郷といわれる「白い教会」「自然の中の農場」が昔ながらの形で残る地域です。国内観光客の評価が高いバーモンド州。

バーモンド州のキーワード:トラップ一家ロッジ

「サウンド・オブ・ミュージック」の著者かつ主人公の一人であるマリアは亡命後、バーモンド州ストーの町で3人の子とロッジを運営しました。今も営業中。

バーモンド州のキーワード:マクドナルドがない

アメリカの州都で唯一マクドナルドがないモントピリア。地元の商売を優遇しているため、大手チェーンの参入が難しい。

バーモンド州のキーワード:キリントン

約930メートルの標高差があり、ビースト・オブ・ザ・イーストと呼ばれるスキーリゾート。東海岸で最初に開き、最後に閉まります。

バーモンド州のキーワード:バートン

スノーボードの黎明期である1977年に創業した老舗メーカー。創業地ロンドンデリーは、アメリカ独立宣言の前からある古い町です。

バーモンド州のキーワード:フランス系住民

バーモンド州は、旧フランス領で、現在もカナダからの移民が多く人口の3分の1がフランス系です。バーモンド州北部なら仏語併記の看板を見かけることもあります。

バーモンド州のキーワード:シャンプレーン湖

釣り人やカヌーを操る人だけでなく、南北約170キロに延びる水面のどこかにいるという巨大生物を探す一部の趣味人が訪れます。

バーモンド州のキーワード:バーリントン

バーモンド州人口の3分の1が、この都市圏に住むというバーモンド州の最大都市。アイスクリームチェーン、ベン&ジェリーズの本社があることでも有名です。

バーモンド州のキーワード:広告看板は禁止

環境保護や景観保全に熱心なバーモント州では、道路沿いに大きな広告看板を設置することを1968年から法律で禁止しています。

バーモンド州のキーワード:バーモントチーズ

紅の木の実で着色した黄色いチェダーが一般的ですが、ここでは着色しない白チェダーを伝統的に作っています。味は、黄色と大差ない。

バーモンド州の著名人

バーモンド州の著名人:革新系政治家 バーニー・サンダース

バーモント州選出の上院議員。民主社会主義者。2020年の大統領選で民主党候補として若者の支持を集めるも撤退。(1941~)

バーモンド州の著名人:愛国者 イーサン・アレン

独立戦争で活躍した義勇連隊「グリーン・マウンテン・ボーイズ」を率い、バーモント独立の道を切り開きました。(1738~1789)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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