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野岩鉄道会津鬼怒川線の歴史

野岩鉄道会津鬼怒川線は、会津線と同じく、改正鉄道敷設法により野岩線として建設されました。そしてこれは、明治時代に栃木県今市から福島県田島、会津若松、喜多方を経由し、山形県米沢を結ぶ東北縦貫線の「野岩羽線」構想の一部でもありました。

野岩羽線は難工事が予想されたことなどから計画が進みませんでしたが、現在の東武鬼怒川線、野岩鉄道、会津鉄道、JR只見線、JR磐越西線、廃止された国鉄日中線(にっちゅうせん)で辛うじて骨格が形成されています。

野岩鉄道は都心と会津地方を結ぶ新しい鉄道ルート!

野岩線は、福島県側で会津線として開通したものの、栃木県側では国鉄再建法により工事が凍結してしまいました。そのため、福島県、栃木県などが出資する第三セクターの野岩鉄道が設立され工事を再開。1986(昭和61)年10月、晴れて会津鬼怒川線として開業しました。

会津線の延伸部ゆえ非電化の予定でしたが、東武鉄道との直通運転が決まり、電化で開業することになりました。当初は乗り換えが不便でしたが、会津鉄道の会津田島~会津高原(尾瀬口)間の電化により3社で直通運転が開始されたことで、利便性は大きく向上。野岩鉄道を中心とした、都心~会津地方を結ぶ新しい鉄道ルートが築かれました。

野岩鉄道で人気の臨時列車は懐かしい夜行列車の魅力がたっぷり!

野岩鉄道は沿線に人家が少なく、利用者は直通電車の観光客が大半です。列車もほとんどが会津鉄道に直通しますが、野岩鉄道の終点である会津高原尾瀬口を終着駅とし、多くの乗客に愛されている臨時列車があります。東武鉄道の夜行列車です。

夏から秋に運転の「尾瀬夜行」、冬から春に運転の「スノーパル」がそれで、いずれも浅草駅を週末、休前日の23時55分に発車し、早朝に会津高原尾瀬口駅に到着します。ここから尾瀬やスキー場に向かうバスへと接続しますが、バスの発車まで列車内で過ごすことができます。車両は「リバティ会津」 で使用されている500系なので、快適な車内でゆったりと仮眠をとることができます。

かつて、夜行列車は全国の路線に多数運転されていました。大都市を夜に出発し、寝ているうちに目的地へ運んでくれました。深夜発、早朝着の列車もめずらしくなく、登山やスキーなどの行楽にも利用されました。混雑する座席車で仮眠する場合でも、やはり便利でした。夜行列車は大半が廃止されてしまいましたが、東武鉄道、野岩鉄道の列車は、そんな懐かしい夜行列車の魅力を十分に備えており、とても貴重な存在といえます。

野岩鉄道がますます活躍!?東武鉄道・SL列車「大樹」の延長構想

東武鉄道には、夜行列車同様にノスタルジックなSL列車「大樹」が鬼怒川線に運転されていますが、機関車を増やすことから、将来的には現在の終着、鬼怒川温泉駅から野岩鉄道、会津鉄道を経由し、会津方面へ延長する構想があります。実現の際には、直通運転の要として、野岩鉄道がますます活躍することになりそうです。

野岩鉄道がますます活躍!?東武鉄道・SL列車「大樹」の延長構想

東武鉄道のSL列車「大樹」。野岩鉄道経由で会津鉄道への乗り入れも期待されます。

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日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。福島の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1:地図で読み解く福島の大地

・阿武隈山地や奥羽山脈が境目!浜通り・中通り・会津の3地域
・いわきで発掘された首長竜化石フタバスズキリュウとは?
・福島市がぽっかり入る福島盆地はどうやってできた?
・福島発展の礎を築いた常磐炭田
・磐梯山の大噴火と裏磐梯・五色沼湖群の形成
・猪苗代湖畔からウニ化石!?劇的な会津の地形の成り立ち
・石川町が日本三大産地のひとつ ペグマタイトとはどんな岩石?
・大改修から100年が経過 暴れ川・阿武隈川の今と昔

などなど福島のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2:福島を駆け抜ける鉄道網

・東北本線旧線の黒磯~白河間には明治時代の面影が残されている!?
・日本最大のC62形SL牽引「ゆうづる」が走った常磐線
・かつては東京と新潟を結ぶ架け橋、会津地方の大幹線・磐越西線
・東京・浅草から特急が直通しトロッコ列車も走る会津鉄道
・かつて硫黄輸送で活躍した猪苗代町の沼尻鉄道とは?
・只見川に架かる数々の鉄橋ほか 魅力いっぱい絶景鉄道・只見線

などなど福島ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3:福島で動いた歴史の瞬間

・人間の歯や骨をペンダントに!?原始福島の不思議な弔い
・東北地方最古の前方後円墳!会津大塚山古墳が示す会津の力
・浜通りに古代製鉄遺跡を発見! なぜ大規模な製鉄が行われた?
・中世史総論(関東武士が進出し国盗り合戦!白河・伊達・蘆名・岩城氏の攻防)
・南北朝時代に南朝が拠点とした幻の寺院城郭・霊山寺とは?
・伊達氏のルーツは福島にあり!奥州制覇を果たす道のり
・相馬地方を約700年統治した古豪・相馬氏とはどんな一族?
・奥州きっての城下町・若松はどのようにして生まれた?
・会津若松城で籠城戦を続けた会津藩が開城に至るまで

などなど、激動の福島の歴史に興味を惹きつける。

Part.4:福島で育まれた産業や文化

・最澄と大論戦した僧・徳一が開祖!慧日寺から始まった会津の仏教文化
・猪苗代湖の水を郡山へ! 幹線延長52㎞の安積疏水事業
・県境には二ツ小屋隧道が残る 福島と米沢を結んだ万世大路
・東北唯一の中央競馬場が福島市につくられたわけ
・幕府直営の半田銀山 明治時代は五代友厚が経営
・感染症と闘い続けた細菌学者・野口英世の生涯
・日本酒の金賞受賞数日本一!福島の地酒はなぜすごい?

などなど福島の発展の歩みをたどる。

ほか、巻頭「空撮グラビア」、テーマ別地図、コラム「データでわかる全59市町村」(人口、所得、農業・漁業)、吉田初三郎が描いた福島県の鳥瞰図 など

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