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対馬の野生生物の代表格「ツシマヤマネコ」

対馬に生息する動物として有名なのはツシマヤマネコです。ツシマヤマネコはベンガルヤマネコの亜種のひとつで、日本では対馬にのみ分布します。大陸から対馬まで分布しますが、そこから東へは行きませんでした

生息数の減少から昭和46(1971)年に国の天然記念物、1994年には国内希少野生動植物種に指定されました。

ツシマヤマネコの現状

ツシマヤマネコは約10万年前に大陸から渡ってきたと考えられています。大きさは日本のイエネコとほぼ同じ。照葉樹林、落葉樹林の谷間や山腹斜面、また田畑や沢などを生息環境としています。

しかし、好適生息地の減少や道路・河川の整備工事などによる生息地の分断、交通事故などが原因で生息数が減少し、絶滅の危機に瀕しています。環境省のレッドリストでは「絶滅危惧IA類」に分類されており、まさに危機的状況にあるといえます。

ツシマヤマネコの分布域の推移

ツシマヤマネコの分布域の推移
対馬野生生物保護センターの資料を元に作成

1960年代までは全島に生息していました。その後少しずつ減少し、1990年代には生息地が分断。2010年代前半にかけて北部に偏っていましたが、2010年代後半では南部での生息確認地域が増え、90または100頭と推定されます。

対馬のそのほかの野生動物

朝鮮半島から対馬まで分布する動物には、チョウセンコジネズミアムールカナヘビチョウセンヤマアカガエルアキマドボタルなどがいます。しかし、日本列島で見られる、サル、タヌキ、キツネ、ウサギ、イモリは対馬には分布しません。

一方で、ツシマテンツシマアカネズミツシマスベトカゲツシマサンショウウオツシマヒメボタルなど、対馬で進化したと見られる動物もいます。これらは対馬固有の亜種または種で、その祖先は朝鮮半島か日本列島に求められます。

対馬の野生生物:植物

また、対馬固有の植物には、シマトウヒレンツシマギボウシなどがあります。大陸系の植物も多く、5月上旬に白い花を咲かせるヒトツバタゴは対馬の市の木にも指定されています。

対馬での野生生物の研究・保全

このように稀有な生態系を築いてきた対馬では現在、「対馬野生生物保護センター」を中心に、ツシマヤマネコなどの野生生物の研究や保全・保護活動、普及啓発活動が続けられています。

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・新旧の車両が行き交う長崎電気軌道
・小島が国際空港に! 長崎空港は世界初の海上空港
・長崎が生んだ画期的な交通手段! 坂を上る日本初のエレベーターとは!?
・東洋一と称された西海橋の誕生
・進化を遂げた長崎街道の日見峠
・松浦鉄道には3つの日本一がある!?
・当時の面影が残る雲仙鉄道の廃線跡
・島原鉄道は奇跡のローカル線!?
・吉田初三郎が描いた 長崎の鳥瞰図

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・“神風”の謎が海底遺跡調査で判明!? 鷹島神崎遺跡から見る蒙古襲来
・ポルトガルが平戸で貿易を始めたワケ
・なぜ長崎は教会領になったのか
・町民が主役!? 特例だらけの貿易都市長崎の誕生
・ラクダを飼っていた!? オランダ人の出島生活の実態とは
・龍馬を襲った「いろは丸事件」の真実
・倒幕の裏には大村藩士の活躍があった
・人口約4000人の村が一変!? 寒村だった佐世保が大変貌したワケ

…など

Part.4 長崎で生まれた産業や文化

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・世界遺産に登録された日本造船業の原点! 三菱長崎造船所のあゆみ
・細部まで技巧を凝らした圧巻の建築美! 数々の教会堂を手がけた鉄川与助とは
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