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塩の道・秋葉街道は最長最古の塩の道の一部

相良でつくられた塩は地元で消費されるだけでなく、さまざまな生活物資とともに内陸の各地にも運ばれ、そのルートは「塩の道」と呼ばれました。

塩の道は全国各地にありましたが、相良を起点としていた塩の道は、掛川や北遠(遠州地方北部)を通過し、信州(長野県)の塩尻に至る、延長約230㎞のルートです。このルートは南塩ルートと呼ばれますが、越後(新潟県)の糸魚川から塩尻に至る延長約120㎞の北塩ルート(千国街道)と合わせると、延長約350㎞で日本列島の中央を縦貫する、最長最古の塩の道となることが注目されています。

また、南塩ルートの静岡県内は、多くの部分が「秋葉街道」とも呼ばれ、火伏の神として知られる秋葉山本宮秋葉神社(浜松市天竜区春野町)に続く信仰の道でもありました。

塩の道・秋葉街道に残る塩にちなんだ地名

塩の道の南塩ルートは、旧相良町の中心部、牧之原市波津(はづ)に建つ起点碑から始まります。途中静岡県道69号、37号、386号、38号などを通り、沿道の随所に秋葉山常夜燈(あきはさんじょうやとう)が建立されているのを見ながら掛川市の中心に至ります。その道すがら、菊川市内で「塩買坂」という名の坂道に、掛川市内で「塩町」という名の町に出会うのが、いかにも塩の道らしいところです。

塩の道・秋葉街道はハイキングルートにもなっている

周智郡森町では、鋸の刃のような形をした街並みの城下地区を抜け、「戦国夢街道ハイキングコース」として整備された三倉地区を進みます。旧春野町域に入って林道をたどり、領家坂下地区を通過し赤い九里橋を渡ると、秋葉神社の表参道です。標高866mにある上社までは高低差約700mの上り坂です。

塩の道・秋葉街道は伊奈街道へ続く

秋葉神社を過ぎて、旧磐田郡龍山村、佐久間町、水窪(みさくぼ)町(いずれも現在は浜松市天竜区)と、いずれもかつて林業が盛んだった地区を細い道で抜けると、標高1082mの青崩峠にたどり着きます。

ここから先は長野県。塩の道は「伊那街道」も名乗りつつ、海で採れた塩の運搬路の終着点、すなわち「塩の道の尻」であることが地名となった、塩尻の町までさらに続いていきます。

塩の道・秋葉街道は伊奈街道へ続く

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Part.1 地図で読み解く静岡の大地

・富士山が標高日本一、駿河湾が深海日本一になった理由
・南から来た、火山の贈り物、伊豆半島ジオパーク
・交通の難所「大崩海岸」は海底噴火によって作られた!
・「日本三大人工美林」数えられる天竜の杉林は川の氾濫に関係があった?
・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!

などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 静岡を駆け抜ける鉄道網

・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
・JRと私鉄が一体となって形成する伊豆半島東海岸の鉄道ルート
・意外なエピソードを秘めた東海道本線・静岡鉄道の並行区間
・「政令指定都市・静岡」の市内も走る山岳鉄道、大井川鐵道井川線
・軍事上の要請が背景にある天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)のルート

などなど静岡ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 静岡で動いた歴史の瞬間

・静岡最古の古代人は愛鷹山付近にいた!
・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
・日本にたった一つしかない形の城・田中城
・家康の遺体は日光ではなく久能山にある?
・徳川慶喜と渋沢栄一の意外なつながり

などなど、激動の静岡の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 静岡で育まれた産業や文化

・模型の首都!静岡が生まれたワケ
・バイクに楽器。浜松のものづくりは綿花の栽培から
・ボールは友達!サッカー王国しずおか
・富士山麓の湧水が育てた製紙業
・月ではなく富士山に帰ってしまう「かぐや姫」
・仏教界のスーパースター空海が静岡に残した伝説

…などなど静岡の発展の歩みをたどる。

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