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【武蔵の国の歴史】鎌倉幕府の滅亡

ですが、北条氏の執権政治には反目する武士が多くいました。のちに後醍醐(ごだいご)天皇が挙兵すると、足利尊氏(あしかがたかうじ)新田義貞(にったよしさだ)といった有力者が幕府から離脱。1333(元弘3)年、新田義貞によって鎌倉は攻め落とされ、鎌倉幕府は滅亡します。

【武蔵の国の歴史】室町幕府時代に乱れた政治

その後の室町幕府が拠点としたのは京でした。そのため幕府は、関東10カ国(相模(さがみ)、武蔵、安房(あわ)、上総(かずさ)、下総(しもうさ)、常陸(ひたち)、上野(こうずけ)、下野(しもつけ)、伊豆、甲斐(かい))を統治するための出先機関として、鎌倉に鎌倉府を設置しました。

ところが、その長である鎌倉公方(くぼう)は独立心が強く、幕府や関東管領(かんれい)(鎌倉公方の補佐役)と対立するようになります。

鎌倉公方、関東管領・山内上杉(やまのうちうえすぎ)氏、さらには鎌倉公方に仕えていた扇谷上杉(おうぎがやつうえすぎ)氏らによって関東の覇権が争われるようになっていきます。

【武蔵の国の歴史】後北条氏の支配下となった戦国時代

関東が混乱する隙に頭角を現したのが相模の伊勢盛時(いせもりとき)(北条早雲(ほうじょうそううん))でした。駿河今川氏の客将だった伊勢盛時は、小田原城を奪取して戦国大名化すると、関東進出に乗り出してきました。

伊勢盛時の子・氏綱(うじつな)の代に北条氏を名乗る(鎌倉の執権北条氏とは無関係。後北条氏とする)と、後北条氏は江戸城(東京都千代田区)、岩槻城(さいたま市岩槻区)と攻め落とし、さらに河越城(川越市)を奪取して武蔵の国を支配しました。

後北条氏の奇襲「河越夜戦」

後北条氏の奇襲「河越夜戦」
現在の河越城本殿。1800年代半ばに建てられた本丸御殿の一部が残る

この後北条氏の勢力伸長に対し、守旧派の山内上杉氏、扇谷上杉氏、古河公方(こがくぼう)(元の鎌倉公方)が反北条連合を結成。1546(天文15)年、連合軍側は8万もの軍勢で河越城を包囲しました。対する後北条方は、城内の兵が3千、小田原からの救援が8千程度であったといいます。

しかし、夜陰に乗じた救援部隊が奇襲を仕掛け、後北条方が圧倒的な兵力差を覆して大勝利を収め、関東における覇権を確固たるものとしました。

この「河越夜戦(やせん)」は「日本三大奇襲戦」のひとつに数えられています。

川越城本丸御殿

住所
埼玉県川越市郭町2丁目13-1
交通
西武新宿線本川越駅から小江戸巡回バス喜多院先回りで10分、博物館・美術館前下車すぐ
料金
大人100円、高・大学生50円、中学生以下無料(20名以上の団体は大人80円、高・大学生40円、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳または療育手帳をご持参の方(ミライロIDの提示でも可)で本人と介護者1名まで無料)

【武蔵の国の歴史】戦国~江戸時代

武蔵の国は越後の上杉謙信(けんしん)、甲斐の武田信玄らの侵攻を受けつつも、後北条氏の勢力下であり続けました。

ですが、1590(天正18)年、後北条氏が豊臣秀吉に降伏すると、後北条氏の旧領は徳川家康の領国となります。そして、家康が江戸に幕府を開くと、江戸に隣接する埼玉県域には親藩や幕府直轄領が形成されていくのでした。

【武蔵の国の歴史】戦国~江戸時代

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