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【石川県の古墳】雨の宮古墳群

出土品に注目するのなら、雨の宮古墳群がおすすめです。

大小36基の古墳が眉丈山(びじょうさん)の尾根筋に築かれており、そのなかの1号墳は標高188mの最高所に位置する前方後方墳。全長約64m・高さ約9mで、表面を葺石(ふきいし)がびっしりと覆っています。

木棺からは、鉄剣や鉄刀、神獣鏡(しんじゅうきょう)(銅鏡)、車輪石や石釧(いしくしろ)と呼ばれる腕飾形石製品などが多く出土しました。なかでも、短甲(たんこう)(よろい)は四角い鉄板を皮紐で綴ったもので、全国的にも出土例が少なく珍しいものです。

1号墳は古墳の規模と出土品の内容から考えて、能登一円を支配し、大和政権とも密接な関係にあった地方豪族の墓と見られています。出土品は、古墳近くの「雨の宮能登王墓の館」で展示されているので、古墳とあわせて訪れたいところです。

【石川県の古墳】雨の宮古墳群

雨の宮古墳群

住所
石川県鹿島郡中能登町西馬場7
交通
JR七尾線能登部駅からタクシーで10分
料金
情報なし

【石川県の遺跡】真脇遺跡

古墳は基本的に権力者の墓ですが、人々の暮らしの痕跡を知ることができる遺跡も存在します。能登町の真脇(まわき)遺跡は、北陸最大級の縄文遺跡です。

なんといってもこの遺跡を有名にしたのは、約300頭ものイルカの骨です。頭骨から尾骨まであらゆる骨が出土しているのに、一頭丸ごと連なったものはありません。これは、真脇の入江ではイルカ漁がおこなわれ、大量のイルカを解体し、不要なものをここに廃棄したことを伝える貴重な出土品でした。

また、イルカ骨と一緒にトーテムポールのような木柱が出土しており、イルカ漁に関する儀式に用いられた可能性が考えられるとして注目を集めています。

【石川県の遺跡】真脇遺跡
【石川県の遺跡】真脇遺跡

真脇遺跡からうかがえる食文化

真脇遺跡では、イルカのほかに大型のナガスクジラの骨も見つかっていることから、真脇の縄文人にとって、クジラもイルカと同様に大事な食料だったことがうかがえます。

藩政時代は、年間数十頭のクジラが能登町沿岸で水揚げされていたようです。能登半島において、定置網で捕鯨していたのは能登町だけであり、「ドブネ」という船による独自の捕鯨法が確立されていました。

捕鯨文化のある地域では「クジラとれれば七浦光る」ということわざが伝わりますが、能登でも同様に、クジラが水揚げされると、人々がクジラの肉を求めて集まり、村同士でどのように分配するかというルールも決まっていたほどクジラは身近な食料だったようです。

実際に能登町では、ブリの定置網に掛かったクジラを食べるという文化が現在も続いています。

真脇遺跡

住所
石川県鳳珠郡能登町真脇真脇遺跡公園内
交通
のと鉄道七尾線穴水駅から北鉄奥能登バス宇出津駅前行きで1時間、終点で北鉄奥能登バス珠洲方面行きに乗り換えて17分、縄文真脇温泉口下車、徒歩15分
料金
真脇遺跡縄文館入館料=大人300円、小・中・高校生150円/

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Part.1 地図で読み解く石川の大地

・石川県は天気予報が難しい?能登と加賀の地形と天気
・伊能忠敬を苦しめた外浦・内浦
・珠洲岬はなぜパワースポット?
・霊峰白山と「しらやまさん」
・金沢は街そのものが博物館
・能登の歴史的遺産「千枚田」
・金沢の用水が果たした役割
・坂を上ると世界が変わる?魔性が宿る金沢の坂
・市内に25ヵ所以上の石切り場が存在!小松は日本の宝玉の産地

Part.2 石川を走る交通網のアレコレ

・開業後、石川はどう変わったか?北陸新幹線のココがすごい!
・活発化する海の玄関口、金沢港
・官民共用で発展する小松飛行場
・路面電車「青電車」が消えた理由
・鉄道交通の要「金沢駅」の誕生秘話
・粟崎へ人々を運んだ浅野川電鉄
・石川の伝統工芸が随所にあしらわれた、能登を走る2つの観光列車
・石川県唯一の私鉄、北陸鉄道の歴史をふりかえる

Part.3 石川の歴史を深読み!

・実は3代利常が名君だった!
・前田家の運命を決めた末森城
・利家の妻が有名なのはなぜ?賢妻としてまつが残した功績
・地名の由来はお坊さん?金沢モダンを象徴した香林坊
・縁結びの聖地、恋路海岸に伝わる悲恋伝説
・城郭建築の美を感じる金沢城
・芭蕉や与謝野晶子が愛した加賀四湯
・江戸時代から続く近江町市場
・日本在来馬「能登馬」とは?
・「小京都」と呼ばれたくない!金沢で受け継がれる武家文化
・那谷寺は胎内くぐりの聖地だった
・平家の末裔と2つの時国家
・倶利伽羅峠と安宅関で辿る義経の悲劇
・有名古墳&遺跡はココに注目

…etc.

Part.4 石川で育まれた文化や産業

・六の数字に込められた意味とは?日本三名園「兼六園」は理想の庭
・人間国宝の数が日本一!石川県に息づく伝統工芸の土壌
・古九谷に込めた前田家の対抗心
・あの国宝は実は下絵だった!? 等伯の最高傑作『松林図屏風』
・三文豪が愛した犀川と浅野川
・大伴家持の能登巡行と万葉集
・偉人を輩出した第四高等学校
・祭りのない金沢、祭り天国能登
・和倉温泉と日本一の宿「加賀屋」
・県民の寿司愛と豊富な海の幸
・北前船で発展した大野醤油

…etc.

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