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浜松まつりの歴史はすでに江戸時代から

浜松まつりは神社仏閣の祭礼とは関係のない“市民のまつり”です。その始まりは、一説によると戦国時代の永禄年間(1558~1570年)に、引間(浜松)城主であった飯尾豊前(いいおぶぜん)が、長男の誕生を祝って城中で凧を揚げたことが起源であると言われており、江戸時代の寛政年間(1789~1801年)の記録にも凧の記述が見られます。

「遠州の空っ風」に乗って力強く舞い上がる凧

遠州灘からの強い海風に加え、冬には北から「遠州の空っ風」と呼ばれる強い風が吹くこの地域は、気候的にも凧揚げに好条件であり、子どもの誕生を祝う「初凧」の伝統は、現在も地域一帯に根付いています。

「遠州の空っ風」に乗って力強く舞い上がる凧

浜松まつりに欠かせない凧揚げの歴史

江戸時代に定着したといわれている浜松の凧揚げは、明治になるとさらに活気を帯びましたが、当時は各町のあちこちの広場で凧揚げが行われており、それらを1か所にまとめる気運が高まっていました。

大正時代にはじまった凧揚げ合戦

そこで、1919(大正8)年からは和地山(わじやま)練兵場(現在の和地山公園)で合同の凧揚げが行なわれることとなり、勇壮な凧揚げ合戦が始まることとなりました。

第二次大戦中に中止となった浜松まつりの凧揚げは、戦後に復活し一度だけ中田島砂丘に場所を移しますが足場が悪かったため、しばらくは再び旧練兵場に戻って行われていました。しかし、旧練兵場がスポーツ公園として整備されることとなった1966(昭和41)年からは、凧揚げ合戦の会場として整備された中田島砂丘西側の遠州灘海浜公園にその舞台を移します。

遠州の風が生み出した砂丘では、令和となった今でも「1年がまつりで始まりまつりで終わると」言われる浜松っ子たちの思いを凧に乗せ、大空に舞い上げります。

浜松まつりの夜の歴史は花街の芸者衆から?

日中は中田島砂丘での凧揚げ合戦が盛り上がりを見せる浜松まつり。夜になると会場は各町内に戻り、屋台の引き回しが行われます。精巧な彫刻を施した屋台は「御殿屋台」と呼ばれ、まつり囃子とともに幻想的な提灯の光が浜松の夜を染めます。

その昔、凧揚げから帰る若衆を迎えるために、花街の芸者衆が底抜け屋台を造って練り歩いたのが始まりとも言われています。

浜松まつりの夜の歴史は花街の芸者衆から?
浜松まつりの夜の歴史は花街の芸者衆から?

浜松まつり

住所
静岡県浜松市中央区市内各所中田島町凧揚げ会場ほか
交通
JR東海道新幹線浜松駅から有料シャトルバス(凧揚げ会場)
料金
要問合せ

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・南から来た、火山の贈り物、伊豆半島ジオパーク
・交通の難所「大崩海岸」は海底噴火によって作られた!
・「日本三大人工美林」数えられる天竜の杉林は川の氾濫に関係があった?
・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!

などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 静岡を駆け抜ける鉄道網

・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
・JRと私鉄が一体となって形成する伊豆半島東海岸の鉄道ルート
・意外なエピソードを秘めた東海道本線・静岡鉄道の並行区間
・「政令指定都市・静岡」の市内も走る山岳鉄道、大井川鐵道井川線
・軍事上の要請が背景にある天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)のルート

などなど静岡ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 静岡で動いた歴史の瞬間

・静岡最古の古代人は愛鷹山付近にいた!
・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
・日本にたった一つしかない形の城・田中城
・家康の遺体は日光ではなく久能山にある?
・徳川慶喜と渋沢栄一の意外なつながり

などなど、激動の静岡の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 静岡で育まれた産業や文化

・模型の首都!静岡が生まれたワケ
・バイクに楽器。浜松のものづくりは綿花の栽培から
・ボールは友達!サッカー王国しずおか
・富士山麓の湧水が育てた製紙業
・月ではなく富士山に帰ってしまう「かぐや姫」
・仏教界のスーパースター空海が静岡に残した伝説

…などなど静岡の発展の歩みをたどる。

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