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尚巴志はその勢いのまま北山王を滅ぼす

尚巴志は1416年に今帰仁(なきじん)グスクの北山王を滅ぼし、沖縄統一の足がかりをつかみます。1421年に父の尚思紹が亡くなると、翌年に中山王に即位します。

尚巴志、三山を制し琉球王国を樹立

1429年に島尻大里グスクの南山王を滅ぼして三山を統一すると、琉球最初の統一王朝を築きます。これが約450年続く琉球王国の始まりです。

尚巴志は王国の拠点を整備

尚巴志は浦添から首里へと拠点を移し、琉球王国の拠点として首里城を築きます。三山統一前の1427年には中国大陸からの渡来人である懐機(かいき)に命じ、首里城の外苑に人工の池(龍潭(りゅうたん))を掘らせ、樹華木(じゅかぼく)を植えて安国山(あんこくざん)を整備させました。この経緯は、沖縄最古の石碑「安国山樹花木之記碑」(沖縄県立博物館・美術館所蔵)に刻まれています。

尚巴志は三山統一を果たすと、居城を佐敷グスク(佐敷上城)から首里城へと移します。そして当時、進貢船などの大型船が入港できる数少ない入り江のひとつであった那覇を港として整備しました。

尚巴志が築き上げた王国のランドマーク、首里城

首里城は琉球王国の政治と文化の中心地であり、ここで明からの冊封使(さくほうし)をもてなす儀式や宴会も催されました。琉球王国の王が亡くなった場合には、冊封使400〜500人が2隻の船に分乗して来航し、先王の葬式に出席したのちに、首里城で新王の即位式に臨みます。このときに新王に皮弁冠(ひべんかん)などを渡すのでした。

尚巴志は積極的に貿易を進め琉球文化の礎を築く

尚巴志は那覇港を整備して対外貿易を積極的に進めました。日本や明はもちろんのこと、三山統一に前後してスマトラ島やジャワ島、李氏朝鮮とも通交を結びました。

尚巴志の対外貿易によってもたらされた文化

中国東南部の弦楽器「三弦」が沖縄にもたらされ、琉球王国では改良され「三線(さんしん)」となり、宮廷楽器として愛用されるようになるのもこの頃です。
14世紀後半から15世紀にかけては、シャム国(タイ)から酒の蒸留技術が伝わり、琉球の気候にあった独自の蒸留酒(のちの泡盛)が誕生します。
なお、甘藷(かんしょ)(サトウキビ)が明からもたらされたのも、尚巴志の時代とされています。

染織技術にも影響を与えた

また、海外から伝わった染織技術は琉球王国の庇護を受けておおいに発展し、鮮明な色彩と大胆な配色の「紅型(びんがた)」を生み出した。このように現在にも伝わっている琉球文化は、対外貿易によって海外から伝わった技術を基礎として、琉球王国の統治下でおおいに育まれたのです。

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Part.1 地図で読み解く沖縄

・造山運動によって形成された琉球列島/新しい地層と古い地層、南北で異なる沖縄本島の地質
・エメラルドグリーンの海は隆起してできたサンゴ礁のおかげ?
・グスクの石垣から地下ダムまで利用される琉球石灰岩
・貴重な自然の宝庫「やんばるの森」とは?
・マングローブの生態系が「生きものたちのゆりかご」と呼ばれるのはなぜ?
・県内唯一の活火山島である硫黄鳥島は硫黄の産地だった
・西表島で行われた炭鉱開発とは?…などなど沖縄の自然を解説。

Part.2 陸海空、沖縄に巡らされた交通網

・那覇空港と市街を結ぶ県内唯一の鉄道路線「ゆいレール」
・県民の足として、輸送手段としても活躍していた沖縄県鉄道とは?
・海軍の飛行場からスタートし、各地を結ぶ那覇空港
・明治初め、本州と那覇を結ぶ国内最長の定期航路が誕生!
・沖縄復興のシンボルといわれた730バスとは、どのようなバスだったのか?
・全ての道は首里城に通じる?首里城から那覇港、本島南部に通じる琉球石灰岩の道

…などなど沖縄の交通事情を解説。

Part.3 沖縄で動いた歴史の瞬間

・沖縄の古代史総論/約2000万年前に住んでいた港川人はどこからやってきたのか?
・沖縄本島を三分割して約100年も勢力争いが続いた三山時代とは?
・琉球から江戸まで片道2000㎞の長旅 琉球使節の江戸参府の全貌
・黒船が琉球にやってきた!浦賀上陸前に琉球を訪れたペリーの目的とは?
・ソテツ地獄を経て、国内で唯一戦場となった沖縄
・沖縄の日本復帰を記念して開催された沖縄海洋博覧会とは?

…などなど沖縄の歴史を徹底解説。

Part.4 沖縄で育まれた産業や文化

・元々は宮廷料理だった?沖縄の郷土料理・沖縄そば
・男子禁制の祈りの場、御嶽とはいったいどのような場所なのか?
・15世紀に伝わり戦火からも復活!沖縄を代表する酒・泡盛の奇跡
・薩摩から朝鮮人陶工がやってきたのが始まり?沖縄やちむんの魅力とは
・絣や紅型のほか多彩な染織物「染色文化の宝庫」と呼ばれる沖縄

…などなど沖縄の産業と文化を丁寧に解説。

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