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平安時代の文化~国風文化における貴族の娯楽・恋愛・結婚。その宗教観を知る~

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月17日

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平安時代の文化~国風文化における貴族の娯楽・恋愛・結婚。その宗教観を知る~

平安時代の文化として一番にあげられるのが、国風文化です。
国風文化とは、従来の唐風(とうふう)(中国風)文化に代わる日本独自の和風文化のこと。
9世紀の遣唐使廃止をきっかけに変化したともいわれますが、実際にはそれ以前に始まり、中国の唐風と日本の文化が融合しつつ、発展したものと考えられています。

優れた王朝文学をも生むことになる平安時代の文化とは、いかなるものだったのでしょうか?
なかなか知ることのできない後宮での娯楽、恋愛と結婚、そして文化の根幹のなる宗教について、具体的に解き明かしていきましょう。

平安時代の文化~貴族の娯楽、流行した遊び

早朝に出仕し、午前中に仕事を終える貴族たちは、午後から宿直(とのい)などがなければ自由時間も比較的多くあり、余暇に様々な娯楽に興じました。室内の遊びは、漢詩や和歌などの作歌や、琴、笛などの楽器演奏が一般的でした。また、双六(すごろく)と碁も人気で、宝物、花の枝などの景品、あるいは負態(まけわざ)(罰ゲーム)を賭けて楽しんだようです。

平安時代の文化:後宮で流行した遊び

とくに後宮で流行したのは物合(ものあわせ)と呼ばれるジャンルの遊び。左右ふた組に分かれ、テーマに合わせた物を持ち寄って、優劣を競うものです。女官たちは、菊合、扇合、貝合、歌合、薫物合など多様な物合に興じました。具体的にはこのようなものでした。

薫物合(たきものあわせ)
薫物の香味を比べ、季節や環境との適応具合を競う遊び。
匂いの銘は、判者によって古歌にちなんでつけられるため、古典的知識や教養が求められました。

※伏籠を香炉の上に被せ、その上に着物を置いて香をつけていました。香壺には、薫物は一般に6種以上の香を配合したものをいれていました。

歌合(うたあわせ)
左右2組に分かれて同じ題で詠んだ和歌を一首ずつ組み合わせ、出来栄えを競います。

※歌人を方人、判定を下す者を判者と呼びます。歌合への女性の参加は960年の天徳歌合から。以後、歌合には必ず後宮の女性が参加するようになりました。

平安時代の文化:貴族のあいだで流行ったゲーム

宮廷貴族たちの娯楽のなかでもポピュラーな遊びが双六と碁でした。多くは物が賭けられ、お金や帯、花の枝などを景品としていました。ほかにも負けた方が「負態(罰ゲーム)」として相手をもてなしたり、贈り物をしたりすることもあったといわれてます。

囲碁
7世紀に中国から伝来し、奈良時代には広く浸透していたと見られる盤上のゲーム。
男女問わず、僧籍にある者も含め、あらゆる年齢層で流行しました。

双六
囲碁同様、奈良時代には中国から日本に伝来していたと見られる盤上のゲームです。
当時の双六はふたりで遊ぶ、いわゆる「盤双六」で、2個のサイコロを筒に入れて振り出し、出た目によって盤上に並べた白か黒の駒を進めるものでした。

※持ち駒のすべてを自陣へ移動させたら勝ち!というルールで多くの人が熱中したため、たびたび禁令が下りました。

平安時代の文化:屋外での遊び

室外では、男性は蹴鞠(けまり)や小弓、鷹狩りなどに興じ、男女ともに花見や紅葉狩り、寺社参詣などの物見遊山に好んで出かけていました。また、賀茂神社の祭りなど、華やかな祭礼が行なわれると、物見車で出向いて楽しんでいました。

物詣(ものもうで)
寺社への参詣や参籠を行なうこと。外出の機会が少ない平安女性にとって格好の気晴らしで、観音霊場である長谷寺、清水寺、石山寺などが人気スポットでした。

※裾の長い衣服の裾をつぼめて歩きやすくした旅装で「壺装束」を着て出かけていたようです。

平安時代の文化 豆知識>>>貴族のペット事情

平安貴族は動物にも娯楽性を見いだしています。鶏を闘わせる闘鶏(とうけい)や鷹狩りなどに興じたほか、動物をペットとして愛玩しました。鷹は個人で飼育するほど愛好され、また、猫もペットとして人気だったようです。
一条天皇は猫好きで、愛猫に位を与えるほど。その影響か、『源氏物語』では東宮(とうぐう)(皇太子)が猫好きとして描かれています。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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