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島根の神社:出雲地方のナンバー2「佐田神社」

現在の出雲地方には二宮は存在しませんが、実質的な二宮と呼ばれるのが松江市鹿島町の佐太神社です。加賀の潜戸伝説で生まれたサダノオオカミらを祀っており、本殿は大社造りの三殿並立で正殿を中心に北殿と南殿が建ち、国の重要文化財に指定されています。

戸時代には出雲大社と出雲国の神社の支配権を巡って神主同士が裁判で争い、出雲大社が6郡半を佐太神社が残りの3郡半の支配を認められました。これにより佐太神社がナンバー2の地位を獲得したのです。2011年、ユネスコ無形文化遺産に神事・佐陀神能が指定されました。

佐太神社

住所
島根県松江市鹿島町佐陀宮内72
交通
JR松江駅から一畑バス恵曇行きで28分、佐太神社前下車すぐ
料金
情報なし

島根の神社:石見の一宮「物部神社」

石見の一宮は大田市川合町(かわいちょう)の物部神社です。武神として崇敬され、戦国大名の大内義隆や毛利元就が太刀などを寄進しました。本殿は毛利元就の次男・吉川元春が再建しています(現在の本殿は江戸時代の火災後に再建されたもの)。物部氏の祖・宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)が石見を平定して当地に鎮座したことが縁で創建されたといわれています。

島根の神社:石見に数多く建てられた「大元神社」

石見地方で外せないのが大元神社(おおもとじんじゃ)です。江津市、浜田市、益田市、邑智(おおち)郡、鹿足(かのあし)郡に数多く建てられています。これは石見地方で村の守護神である大元神を信仰するのが盛んだったためだと推測されています(大元神は祖霊神だったなど諸説あり)。江津市桜江町や邑智郡では大元神楽が舞われ、最後に神のお告げを聞くという行事があり、桜江町の大元神楽は国の重要無形民俗文化財に指定されています。

島根の神社」隠岐の一宮は「水若酢神社」でも実質は「玉若酢命神社」?

隠岐の一宮は隠岐の島町郡に建つ水若酢神社(みずわかすじんじゃ)です。しかし同町下西の玉若酢命神社(たまわかすのみことじんじゃ)が隠岐国の惣社(国司が各地域の神社を参拝したことにするため、国内の各所に鎮座の神社を一所に勧請した神社)とされ、神主は国造と呼ばれており、実質的な一宮とみられていたようです。

ですが、戦国時代に隠岐守護代・隠岐宗清(おきむねきよ)が水若酢神社と対立した際は隠岐の諸領主が神社側に立って対立しており、国内の信仰の中心のひとつとなっていたことがうかがえます。悪霊の退散と五穀豊穰を願って流鏑馬(やぶさめ)が行なわれています。

水若酢神社

住所
島根県隠岐郡隠岐の島町郡723
交通
西郷港から隠岐一畑交通五箇行きバスで45分、水若酢神社前下車、徒歩3分
料金
情報なし

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Part.1 地図で読み解く島根の大地

・「弁当忘れても傘忘れるな」な島根の天気
・山陰地方と呼ばれるのは島根県と鳥取だけ?
・水質の良い一級河川「高津川」と大井谷の棚田
・隠岐諸島の「レッドクリフ」をはじめとする島々
・三県境と全国5番目に広い湖「中海」と7番目の「宍道湖」
・全盛期は東アジア最大、世界で2位の産銀量「石見銀山」は港まで続いていた?
・東京ドームほどの海浜公園「石見畳ヶ浦」

ほか

Part.2 島根を駆ける充実の交通網

・「銀の道」さらに「うなぎ街道」「鯖街道」とは?
・朝廷への情報伝達に使われた「官道」とは?
・土木学会が指定した土木遺産「福浦トンネル」
・一畑電鉄と一畑駅、大社線と大社駅
・Mランドドライビングスクールとは?
・JR木次線の「三段式スイッチバック」とは?
・島根の旧三江線トロッコ、初めて県境越え広島へ
・奥出雲おろちループ
・古代山陰道
・「ベタ踏み坂」江島大橋
・未成線広浜鉄道
・神にまつわる名前のついた10の駅
・最後の寝台列車サンライズ出雲

ほか

Part.3 島根の歴史を深読み!

・『日本書紀』『古事記』から神々を知ろう
・古墳も多い島根県
・『出雲国風土記』の世界「黄泉の穴」
・出雲大社を筆頭とする様々な「神社」
・「出雲」「石見」「隠岐」から「島根に」
・山陰のモンサンミッシェル?こと宮ケ島 衣毘須神社
・出雲の方言 東北の訛りとの共通点
・なぜ津和野町に「森鴎外記念館」が?「小京都」と呼ばれるわけ
・歴史的大打撃「廃仏毀釈」で失われたモノ
・島流しといえば「隠岐」?
・江戸時代の島根県、松江藩による出雲平野の開拓

ほか

Part.4 島根で育まれた産業や文化

・「相撲」発祥の地と言われる出雲
・名湯の多い島根県
・継承される多くの神楽と安来節
・歌舞伎の原型になったとされる「阿国歌舞伎」
・「玉鋼」と「たたら製鉄」と黒曜石
・日本で唯一「黄長石霞石玄武岩」を産出
・小泉八雲の作品と小泉邸

ほか

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